2009年1月25日日曜日

日の丸写真

写真の世界で日の丸写真と言われると、あまり良いイメージではないようです。人物でも、自動車のような商品でも富士山のような風景でも山を画面のど真ん中へ配置することは面白い雰囲気が作りにくいからでしょう。どうしても視点が真中へ集中したまま止まってしまって動きのないものになってしまいます。
 人を撮る場合は視線の前の空間を余分に取ると視線に沿った動きが始まります。同じように自動車は走る方向の先を大きく開けておくと走り出しそうに見え、安心感も出てきます。大きな木を撮る場合も風の流れる方向を見せることが空間でできます。そんなことを考えながらファインダーをのぞくと頭の中にいろいろな物語ができてきて、シャッターを押す前が楽しくなります。
 人の視線を感じる写真を撮ろうとすると、その視線の先に何を置くかが重要になってきます。自動車だって走ろうとする先が壁になっていたのでは空間の意味がおかしくなってきます。主題を中心から外すということは画面の動きを作ると同時にバランスが重要となってきます。
 そんなことを考え始めるとせっかく楽しくなりかけていたシャッターを押すことが難しくなってきます。
 でも、でも、撮りたいものをど真ん中にでっかく配置した写真がプロの写真家が撮ったコマーシャル写真に少なくないのも事実です。何しろど真ん中にドカーンと配置した構成の訴求力は大変強いものがあるのも事実なので、意識的に利用するのも大いにありのような気もします。
 さあ、どう撮りますか???

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