2009年7月30日木曜日

なかなかいいぞ


 コンデンサーを付け足した、真空管もどきアンプは私には大変快適に聞こえるようになりました。
  低域もほどほどにしまっていながら十分なムード を出しています。中高域がいままでと大きく違って安心して聞いておれる雰囲気になりました。安心感ばかり かスピーカーとの相性のせいか、少し艶のある音にも聞こえるようになってときどき「いいぞ!ee  ee!」と感動しています。
 今までいいぞと 思ってここではリファレンスにしていたチープな真空管アンプとどうしても比較したくなりますが、低域は真空管のおおらかな鳴りっぷりに魅 力を感じる部分があります。ダンピングファクターによるスピーカーの制動が効いているかどうかが違いを出しているように思っています。
 高音域ではトランジスターの歪の少ない音と、真空管の高調波歪はあっても心地よい音と感じる偶数次高調波が多いものになっていて耳障りでない音になっているという教科書どおりの違いが現れているような気がしています。
 何しろ今まで聞くに堪えなかったピアノの小曲集がずっと聴いていたくなってしまったのですから、違いは大きいと思っています。真空管アンプの中高音の音が多少うるさく感じるということは今までと大きな変化です。
  トランジスターアンプは高い増幅能力を持ち負帰還を応用することで特性を大幅に向上することが容易です。真空管はそれほど高性能ではありませんがもとも と高電圧で動作しているため基本特性にはいいものを持っています。出力を上げていっても急激に特性が悪化することがなく、歪が多少あっても聞きやすい音の ため全体として音楽を聴くには心地よいなり方をしてくれるという理屈が言われています。この基本的な性質が感じられるようになりました。
 どちら にしても、全体として基本的な動作が完全でないと入力にないような雑音を出したり、大きく音が変化してしまうようでは気持ちよく聞けません。私が オーディオに熱中していたときにも真空管やトランジスタの持つ素材の特性を生かすために供給電圧やバイアス電圧にいろいろ工夫した思い出があります。
  それにしても、少しの工夫で大幅に向上できる基本性能を持ちながら、まずい音を出したまま出荷していたのは惜しいですね。ものづくりにはあと一歩でぜん ぜん違った品質になるだろうにと思うことは少なくありませんが、開発した人の思いはどんなところにあったのかいろいろと考えることの多いアンプです。
  今は真空管をはずしたまま聞いていますが、作った人の意図からは真空管の灯りを眺めながら素敵な音にふけりたいという構図が見えますから、たまには球を 挿して全ての回路を動かして楽しめるようにしておきたいと思います。今はいかにも工場でチューンアップ中の写真ですが、この次はフル装備にして着飾った写 真を載せたいと思います。
 ギャラリーR2Vに飾っておきますのでどうぞ、見て聴いてご意見をください。

2009年7月28日火曜日

ギャラリーワークショップ

皆様! ワークショップを開始しますよ!

とお話してしばらくたちますが、8月からいよいよスタートすることで準備を進めています。
ホームページにも案内を出していきますが、最初のテーマは「市内電車の沿線」、それも環状線の内側ということで決めたいと思います。
電車の沿線だからということで電車を撮らなければならないわけではありません。その決められた場所の中で風景でも人物でも建物でも、それぞれが面白いと思ったものを切り取っていただければと思っています。
夏休みの方もいらっしゃるかも知れませんが、会社への行き帰りや、ショッピングのついででも何か見つけてお持ちいただいて展示したいと思います。
最初ですのであまり気合を入れず楽しんでいただくのが一番だと思っています。
詳細はまた発表します。

音の感覚

ギャラリーの紹介で始めたブログのつもりでしたが、脱線ばかりで何が始まるか分からなくなりました。
ギャラリーには真空管やデジタルのアンプを持ち込み毎日、試聴しては手直しする毎日になっています。
 以前から、デジタルアンプよりは真空管アンプがどうしてもいい音のような感じで、消費電力から言えばそうなって欲しいような、しかし、新しい技術がもっとよくなっているのではないかと思う毎日でした。
 そんな中で、真空管が飾りに付いていたアンプはそのデジタルアンプにも劣る音しか出ないような感じで、何とかならないかと思いながら聞いていました。
 このヘンなトランジスタアンプで一番まずいと感じるのは高域がかなり癖のある音で鳴る事です。最初にオシロを見て問題にしたのは出力トランジスタの回路定数の問題でクロスオーバー歪が出ていたことでした。これは対策したのですが、それでもどこかいやな癖が抜けません。
 オシロスコープの波形で見ると真空管アンプよりもずっと高域まで動作していることは分かるのですが、矩形波を観測すると、高域のリンギングがあるように感じられます。十分な測定器を持っているのではないので雰囲気程度ですが、可能性はありそうです。
 このため、歯の浮くような、気持ちの悪い高音になっているのではないかと対策を考えました。以前の回路解析で異常発振を防ぐパスコン類があまり入ってい ないと思われましたので、出力トランジスタや電源回路に小容量のセラミックコンデンサーを付けてみることにしました。周波数特性に影響するようなものでな く高周波が逃げてくれるかなと思える程度のものです。
 大して影響のある回路とも思えないので、期待もしないで試聴を始めました。
 しかし、今度は何か変わったと思えます。いくつかのCDをまわして、デジタルアンプとつなぎ変えながら試してみるのですが、かなり安心して聞けるばかり でなく、低音部の力強さが拡大し、全体の質感も向上したように思えだしました。デジタルアンプを聞くと寂しい音に聞こえるようになりました。
 オーディオ遊びは感覚的なものが強く、自分が工夫し、努力するとどうしてもいい方へ変わったと考えたくなるもので、今回もどこまで本当によくなったかはしばらく使ってみないと分からないものです。
 これらのアンプはギャラリーR2Vに大きな顔をして座っていますので、よろしければ聞いてみてください。

LED覚え書き

 ブログのページを使って失敗の恥をかくのもどうかと思うのですが、後々同じような失敗をしないためにメモを残しておきます。もし読者の方が目にしてもちょっとマニアの領域なのでこの項は見過ごしてください。
 スタンドライトをLED化してみると数Wの電力でも結構実用的な明るさになってうれしくなっていつものように寝転がって読書をしていました。
 しばらくすると光が瞬きをして、真っ暗になってしまいました。いつものように先を急いで配線したので、どこかの半田が浮いているのだろうと、基板をはずして調べ始めました。
  調べるうちに半田ではなくLEDが壊れていることが分かり始めました。壊れたLEDも一個ではなく、かなりの数のようです。45個程度を直列に接続して AC100Vを整流してそのまま印加しています。壊れているLEDの大半はショート状態になっています。全体のLEDで電圧を分担してバランスが取れてい るのですが、1個でも故障しショート状態になると残りのLEDにかかる電圧が大きくなって許容値よりも大きな電流が流れ他のLEDも壊すことになります。
  絶対壊れない程度の電流に抑えたつもりだったのですが、LEDは温度が上昇すると電流値が増す性質のため、狭い場所へぎゅっと押し込んだために予想以上 の温度上昇となり、破壊の連鎖が始まったようです。それでも、断線状態に壊れたものがあったので、光らなくなっただけですみましたが、ショート状態が拡大 すると火災の可能性がないとも言えません。
 以前試したときには温度のこもるような使い方をしなかったのと、電流値も押さえ気味にしてあったので安定して動いていたのだと反省しました。今回は自分の手の届く範囲で使うので少し限界を試してみようと無理をしたのがそのまままずい結果になったようです。
  この際、以前から確認しようとしていた電流制限ダイオードCRDを接続して実験してみました。小さな素子で一見頼りなさ気ですが、使ってみるといい仕事を するもので、今までどうして使わなかったのか後悔してしまいました。ただ、接続の向きには要注意で反対に接続しても電流は流れ、仕事をしないことになりま す。
 今後は電流値には余裕を持たせ、さらにCRDで安定した動作をさせることが必要だと学習させられました。

2009年7月25日土曜日

LEDスタンドライト

 寝転がって本を見るのが、なんとも気楽な自分の時間のようで昔からついついはまっていますが。その時、使っている蛍光灯のスタンドライトが突然壊れてしまいました。買ってから15年以上は経つものでほどほどの寿命かもしれません。
 蛍光管そのものはまだ使えそうなのですが、どうしても光ってくれません。どんな物でも壊れたときは私には最高に楽しい瞬間が訪れたようなもので、ドライバーを取り出してすぐ分解を始めてしまいます。このライトはインバーターで点灯するちょっと複雑なものです。テスターで簡単に確認した感じでは高周波の発振が止まってしまっているようです。部品を眺めているとコンデンサーの一つがいかにも高熱で壊れたような雰囲気です。これを交換すれば復帰するかもしれません。
 元の形に直すのもやりがいは有りますが、今LEDによる照明に大変関心があり、中身がどう壊れているよりもLEDのライトに変更してLEDの利用技術の確認をするチャンスにしたくなりました。蛍光灯を点灯している回路の一部を利用して、LEDの電源にし蛍光管の変わりにLEDのアレイを手作りして接続しました。一個のLEDで数Wの出力のものが大変明るく実用的な感じですが、私が今取り組んでいる方法はできるだけ電源回路を簡単にして総合的な効率をあげることを主題に小粒のLEDを40数個接続して利用することに挑戦しています。
 この基本的な方針でスタンドも改造して見ました。今回は手持ちのLEDを50個接続して蛍光灯の反射板へ両面テープで貼り付けるという乱暴な方法で試してみました。見栄えも冴えないですし、いつ落ちてくるか分からない不安定さも有りますが、自分で使うものだけに壊れれば自分で直せばいいので気楽です。
 完成した達成感はやっつけ仕事で十分ではありませんが、からどの程度蛍光灯と差が有るか確かめる楽しみが出てきました。

2009年7月18日土曜日

省エネアンプ

 Dクラスアンプがやってきて、適当につないだだけでは、「やっぱりそんな物か!」と思ってしまったのですが、電源だけは何とかしないと本当の評価になら ないだろうと、パワーのありそうなアダプターをジャンクBOXの中から探し出しました。昔のパソコンに使われていたもので、見かけも大きくなんとなく頼れ そうに見えました。
 残念ながらアダプターのコネクタが合わなかったため、適当なコネクタへつなぎ変え、音を出しました。 SWを入れしばらく聞いていましたが、今までとは 違う雰囲気です。スピーカーの振動が分かるくらい大きめのボリュームしてもまったくへこたれた感じがしません。もともと販売者のデータは最大出力25W, 13W出力時の歪が0.05%と大変優秀なデータが書かれており、私の真空管アンプよりも何倍も上の数字ばかりです。
 ボリュームを少々上げても破綻を感じられませんでしたが、どのくらい電力を消費しているか興味を持ち手持ちの簡単なテスターで測ってみました。少しうる さい程度のボリュームで300mA程度4W程度の消費電力になりそうです。表示されていた効率81%もまんざら外れていないようです。
 あまり、不満のない音にもう一度アンプを変えてみたくなりました。どちらがいいか迷う程度の違いなら消費電力の大幅に少ないほうがいいだろうと思うのですが、これからじっくり聞いてみたくなりました。
 人間の感覚はすごいもので、音でも絵でも(食べ物の味でもそうでしょうか)短時間では分からない違いが時間をかけるといろいろと感じてしまいます。特に好き嫌いという感覚的なものは時間という関数で変動していくものだという経験は少なくありません。

2009年7月17日金曜日

Dクラスアンプ


 真空管アンプやちょっと時代遅れのトランジスタアンプと遊んでいると、最新の技術とは何か考え始めました。
  エコに対して強力な要求が行われている時代に真空管アンプは難しいだろうと思ってしまいます。わずか数Wのパワーを得るために100Wもの電力を消費す るようではいくら高尚な趣味のためとは言いながらも誉められたものでは有りません。どうしても、使いたければ太陽だろうが、風力だろうが、手回し発電だろ うが自分で電気を起こしてから使いなさいと言われそうです。
 普通のトランジスタアンプでも繊細な音を追求するあまり、アイドル電流をたっぷり流した贅沢な回路を組むと無信号時でもかなりな電力を消費しています。アンプの後ろに手をかざすと結構熱い空気が流れています。
  現代のエコの時代にもっとも注目されるアンプは出力される音に使われる電力をもっとも効率良く増幅するものが必要です。この目的にはディジタル技術を利用 したDクラスアンプがあります。一昔前だと複雑な回路が必要で実現するにはコストと技術が必要でしたが、最近では必要な機能を集約したICがあり、回路 技術もこなれてきて、ポータブル機器や自動車用のオーディオ機器には利用されるようになっています。
  しかし家庭の高度なオーディオ機器には、なかなか広がっていないようにも見えます。一部の高級オーディオにはいくつかのトライアルも見られますが、繊細な 味を要求する趣味の世界には機能的なものはなかなか入り難いのかもしれません。しかし安価な入門機などにはさり気なく利用されているところもありそうで、 一度使ってみたいと思って調べると非常に手軽な機器を見つけました。
 大変コンパクトで、価格も手ごろな機械なので真空管アンプの隣で使ってみることにしました。
 電源が別になっていて少し力不足とも思えるアダプターを見つけてつないで見ました。
 音の雰囲気は悪くないのですが、パワー感が物足らなく、しばらく聞いていると、同じ安物でも真空管の方に軍配が上がりました。使った電源アダプターの力不足がそのまま出たのかもしれません。もう少し、挑戦を続けてみたいものです。

例会

 松山国際写真集団の今月の例会へ出席してきました。
 出席者がそれぞれの作品を持ち寄り、出席者全員が相互にいろいろとアドバイスを行います。
 この集団は、各個人の個性を発揮することが狙いのようなところがあり、それぞれの作品に対し意見は出しても絶対的な評価をすることがありません。一つの作品でもある人は絶賛したのに、別の人は目にも留めなかったなんてことは珍しくありません。
 先日の会員の個展でも地域で有名な写真家の方達に見ていただいたら、作者本人の思いとまるで違った評価が多く、ある程度予想していたとは言え、戸惑いを隠しきれない様子でした。
 アートは見る人の価値観が違えば違えばまるで評価の異なってくることが当たり前で、最後の評価は自分ですればいいのではないか、自分で決めるしかないと考えています。
  作品を判断する基準ではぱっと見て引き込まれるような印象の強いものや、しばらく見ているうちに様々なイメージが沸いてきて、いつまで見ていても飽きな いもの、何かクイズのようなもの、いかにも努力して撮影したもの、珍しい記録、自分のあこがれている人や情景など考えれば様々な形態が浮かんできます。憧 れの作家が撮影したカットと同じようなシーンの中にいてもなかなか思うような作品にならないのは不思議なことですが、当たり前かもしれません。
 私自身でセレクトの基準にいつまでも自分の部屋に飾っておきたいシーンというものがあります。その基準で選ぼうとすると自分の作品が決まらない日々が続いてしまいます。

ブックシェルフ

 エッジを交換したスピーカーをあきもせず鳴らしています。
 交換したエッジの糊が十分乾ききらないうちから待てなくて、音を出してしまいました。ある程度固まったらエッジも動かして全体をなじませるようなエージングが必要でないかと勝手な判断でドンドン鳴らしていました。
  しばらくCDを取り替えたりしながら聞いていましたが、どこか音が出きらないようなはっきりしない雰囲気です。アンプのせいかとも思い、アンプを取り替 えてみました。取り替えた瞬間には音の雰囲気が変化して、なかなか素直なスピーカーのようだからアンプを選ぶのかなと感心していました。
 しかし、やっぱり音の繊細さには問題がありそうで原因を考え始めました。
  大体、JBLブランドと言っても小型の廉価版なのだろうから仕方がないかと思っていたのですが、スピーカーの置き方が気になり始めました。ブックシェル フ型と言われる本棚に入る大きさなので、何気なく棚の上に置いて鳴らしていました。棚の板は張りぼてでなく無垢板なので、たたいてもそれほどボコボコ言う ようなことはなく気にしなかったのですが、それでも強くたたくとドンドンと響きますから、スピーカーの下に薄いスペーサーを入れてみました。回りに電池が いくつも転がっていたのでスピーカーの下の隅に敷いてみました。
 結構効果があるものです。楽しくなるほどすっきりしました。今まで聞いたCDが また出番になってきました。私のイメージにある張り出しの強いJBLでは ありませんが、切れ味のあるさわやかな音が出始めました。スピーカーをほんの1cmほど棚板から上げただけですが、一工夫でこんなに変わるとはこれぞ貧乏オーディ オの醍醐味です。

2009年7月16日木曜日

スピーカーエッジ


 アンプの現状を調べるためにネットオークションを調べていたら、スピーカーの交換用エッジが販売されているのが目にとまりました。
  確かに高価 なスピーカーでもエッジが破れているだけでタダ同然で売られているのを見たことがあります。修理に出せばコーンの交換もできることは聞いていましたが、結 構費用がかかり新品ユニットへの交換やシステム全体の購入になってしまうようです。エッジの交換を自分でできるとなると興味が湧いてきます。
  エッジはスピーカーのコーンが自由に振動できるように非常に軽くてやわらかい材料で、なおかつ振動したときに変形してはまともな音が出ませんし、さらな振 動したとき異常な音が出るようだとスピーカーとしてまったくの失格になってしまいます。スピーカーを構成するパーツとしては大変重要なものですが、10年 程度で朽ちてしまうものが少なくありません。
 しかし、エッジが部品として販売されておればその交換に一度は挑戦したいと思っていました。
 そんな事を考えているとき、JBLの小型スピーカーでエッジがほとんどすべて朽ち落ちているものを見つけてしまいました。
 これは最高の材料だと手に入れて挑戦しました。部品として販売されているエッジは本当にぴったりで糊付けしなくても使えるのではないかと思えるほどでした。
 ただ、ボロボロになった古いエッジはあちこちにニチャニチャとくっつき、きれいに剥がすのは大変なことでした。すべてを取ろうとすると逆にコーンをいためてしまうことになるかもしれないので、ほどほどのところであきらめて新しいエッジを貼り付けることにしました。
 交換でもっとも大事なことはボイスコイルがどこかに接触しないよう、完全なセンターを合わせることですが、エッジがかなりな精度でできているようで、そのまま素直に貼り付ければ何の問題もなく動作できました。
 こんなに簡単にできるのならもっとやってみたくなるほどでした。ただ、小型のスピーカーはコーンのずれる範囲も少ないのであまり失敗することがなさそうですが、口径が大きくなるとどうなるか、不安がないわけではなさそうです。
 さて出来上がったスピーカーは結構まじめなスピーカーでアンプの癖がそのまま出てくるようです。今まで気にならなかった特性が如実に現れてきて、またまたアンプやケーブルの挑戦が始まりそうです。オーディオ病が広く、深く進行していくようです。

2009年7月15日水曜日

真空管の交換

 衝動買いで買ってしまった6V6という真空管を使ったアンプは友人が使っているアンプと同じ真空管なので話題が共通になりそうだと決めた部分もあります。
 話題だけでなく、真空管自身を交換していろいろ変化を楽しめそうだという期待もありました。そこで、早速交換してみることにしました。
 私のアンプに使われていた真空管はいかにも中国で作られたことが明確な、真空管にも漢字が書かれています。その印字も外観も無骨で妙な汚れが有ったり商品として誉められたものでは有りません。商品検査で不良になった部品を使っているのではないかと疑いたくなるほどです。
 友人が持ってきたものはロシア製の表示がある球で、なかなかすっきりとした外観です。見た目の商品価値としてはかなりの格差があります。真空管の中の構造を見ても同じ名前の真空管なのか疑うほど違いが有ります。
 さて本題の音はどうかと言うと、十分違いのわかる音が出てきました。私のアンプは元気だけれども繊細さとか細かい雰囲気とかまで言えるような物ではないというのが印象でしたが、球を交換するとかなり上品な音に変わり、このアンプでもこんな素質を持っているのだと見直させられました。
 すっきりした外観のように、音と見かけは関係するのではないかと思わされました。
 いろいろな音楽を聞いてみたくなります。こうなるとヨーロッパの音やアメリカや我が日本の音も聴いてみたくなりそうですがこれ以上の深入りは禁物です。音が良くなると特長がなくなるような気もします。折角の個性を大事に育てるのも興味深いことではないでしょうか。
 真空管は使い込むと音が変わってくるということもかなり有るようで、どれだけエージングするとかいうことも大きなテーマのようです。

2009年7月14日火曜日

アイドル電流

 元真空管の載っていたアンプをまともなトランジスタアンプにする作戦が意地としか言いようのない状態で続いています。近視に老眼が進みよく見えない目で頑張って出力近辺の回路を調べ上げました。
 調べれば調べるほど、意図の分からない回路で、なおかつ基本的な対応ができていないようなところが目に付きます。
  クロスオーバーひずみの原因となっていた出力段のバイアス電圧は回路の抵抗値は見ただけでも嘘だろうと言いたくなる値で、どうしてこんな設計をしたのだ ろうと疑問を持ちます。出力段の温度を補正する回路になっているのですが、構造上、熱的にはほとんど監視できないようなところに配置してある気楽なパター ン設計です。
 このアンプにはファンが付いていて必要なときに回転して熱を逃がすようになっていますが、放熱板の温度を見ている様子はなく、ただ出力段に流れる電流を見ているだけのようです。
  そもそも今時準コンプリメンタリーという時代がかった回路を使うことからして不思議ですが、設計に当たってどこかの古い資料を参考にしながら作り上げた のかもしれません。バイアスのかけ方もあまり気にせず、音が出て安定して動けばOKと判断し、その分外観には十分気合を入れて磨いたような感じです。
 バイアス回路を見つけてどのくらいアイドル電流を流しておくべきか、手持ちの部品を見ながら探っていきました。
  多めに流してAクラスアンプもどきにすれば少しはいい音が楽しめるかとも考えましたが100mA~150mAの電流にして、いざ動かし始めるとドンドン 熱くなり不安になってきます。特に熱の対策が十分でないのは分かりましたから、少なめにするしかないだろうと手持ちの抵抗を探し微調整を行い10mA程度 にすることにしました。
 音がどのように変わるか期待してスピーカーへ接続しました。今までバイアスが少なく、小さな音はカットされていた部分があったようで、小信号が聞こえないため静かなアンプだと感心していたようです。
 今度は何か騒がしいアンプになったような雰囲気です。よく言えば情報量が増えたというのかもしれませんが、もともと繊細さに欠けるところがあり、出てくる音が多くなると特性のアラが見えてくるのかもしれません。
 オシロで波形を見ていると安定したきれいな波形が出ているのですが、諸手を挙げて喜べない不思議な世界です。
 本当に面倒な世界へ入り込んだものです。

2009年7月13日月曜日

アンプ回路の謎解き


 真空管の顔をしたトランジスタアンプは真空管回路を素通りさせたため、真空管を差し込まないでも立派に?音が出るようにはなりました。
 クロスオーバー歪の音は、どんどん気になってきました。ここまで来て捨ててしまうのは気が引けるし、直すにはかなりの気合と根性が必要で躊躇していましたが、とりあえず分かる所まで回路を調べてみることにしました。
  最初に不思議な回路だと思ったところが、出力トランジスタがPNPトランジスタとNPNトランジスタを組み合わせたコンプリメンタリ回路でなく、NPNト ランジスタだけでプッシュプル回路構成をした何十年も昔使われたようなシステムです。現代の回路ならば資料も多く、推定が楽ですが、これではどうも自信が 持てなくなります。
 古い資料を探してやっと見つけた類似の回路図は40年以上も昔買った本でした。やっとトランジスタのアンプができるようにな り、まだ真空管も現役でバリバリ活躍していた時期でした。トランジスタはシリコントランジスタができ始めたもののNPNしかできず、PNPはゲルマニウム トランジスタしか使えない時代で苦心して考え出された回路でした。
 何でそんな骨董的な回路を使っているのでしょう。結構回路は複雑そうでコスト を抑えるのであれば他にいろいろと方法がありそうです。第一今時、ICを使わないでディスクリート回路で組むこと自体、よほどこだわったもの以外に考えら れないことです。このアンプのプリ部分にはふんだんにICを使っているのですから。
 古い資料を探しているとオーディオが大いに盛り上がっていた時代の書籍がなかなか面白く、こんなことにもこだわっていたのだと、わき道にそれて懐かし見入ってしまいました。資料探しで面白がってわき道にそれていたらすぐ一日が過ぎていました。
 一応資料がそろったので現物の部品を見ながら回路図を書き始めました。米粒より小さいようなチップ部品は使われていないのですが60を過ぎた目にはどの部品も、プリントパターンもなかなか見るのが大変でこれではいつまでかかるかわかりません。
 一昔前くらいまでは例え海外ブランドの製品でも日本のメーカー名が表示された部品がたくさん使われていましたが、今はほとんど日本の名前を見つけることができません。日本のもの作りはどこへ行ってしまったのでしょう。

2009年7月11日土曜日

ちょっとだけ変更

 今回買った真空管アンプは6V6という出力菅を使ったものでA級シングルで動作する基本的な単純な構成になっています。出力トランスや電源トランスは構成から考えると結構大きなもので常識的な考えでは余裕がありそうで音にも期待できそうです。
 シャーシーもかなり重そうな鉄板でできていて頼もしく見えます。中身はプリント基板で配線されていますが、かなり雑な印象を受けます。プリント基板には後から修正したジャンパー配線があり、トランスの巻き線の表示など手書きで書いたものではないかと思えます。
 使っている部品もよくわからない表示が多く、買った値段が伺えるような雰囲気です。それでも動作は大変安定していて信頼感があり大いに満足です。まるで何十年か昔並4ラジオを作ったり、アマチュア無線の機械を作っていた時代を思い出しました。
 基本的には満足したのですが、スピーカーコードを交換するのが面白くなってきていてコードをとっかえひっかえするためにはスピーカー端子がバナナプラグを受け付けてくれないと大変面倒なので交換することにしました。
 久しぶりに秋葉原の部品屋を覗いて確認すると端子にも様々なものがあり一個100円台から3,000円を超えるものまであり選択に迷ってしまいました。基本的には金メッキの有りなしで上下が決まるのですが同じ金メッキでもやたらとゴツイ構えのものがあります。あまり豪華なものだと端子の価格だけでこのアンプの値段になりそうです。
 アンプの配線を見ていてNFB回路が簡単に見えたので、近いうち変更して遊んでみようと楽しくなりました。
 それにしてもオーディオ狂いはいつまで続くのか我ながら不安になってきます。

2009年7月10日金曜日

真空管で鳴るアンプがやってきた



 真空管で飾ったトランジスタアンプと遊んでいるうちに本物の真空管アンプが気になり始めました。
  ネットを探すと本当にたくさん出ています。 ネットオークションでもかなり安価なものから、とても買えそうにない高価なものまで千差万別です。音を聴くのが目的のアンプをネットだけで買うということ も疑問を抱かないわけではありませんが、安価なものだと買って確かめて見ようと気楽な挑戦に誘惑されます。また不要なガラクタが増えてしまうという現実を 忘れてついつい入札をしてしまいます。
 今回は実際にどの程度で取引されているかという現実を調べることもせず、まさか買えないだろうと思った値段を入れてしまいました。しかし、オークションの終了で落札できましたとメールが届きました。
 驚き、あきれながら手続きを済ませ商品が届きました。ずしりと重く、間違いなく真空管が仕事をしているアンプでした。
  さっそくスピーカーをつないで音を出してみると、びっくりするほど元気な音が出てきました。ジャズボーカルが生々しく迫ってきました。ただ元気過ぎてクラ シックでは落ち着きがないようにも感じましたが、最近興味深くなっているケーブルの交換で変化が可能か試してみました。予想以上に変化が感じられオーケス トラの品格も感じられるようになってきました。
 ただ、繊細さということでは私の家でいつも聞いているA社のアンプに比べると物足らないのは事実 です。アンプの価格が1桁以上も違うものだから仕方がないと思えば納得できますが、だからと言って絶対にこちらがだめかというと、気分によっては今回の真 空管アンプに魅力を感じることもありそうです。
 高価なものにどんどんエスカレートするのは仕方がないかも知れませんがね使い方でいろいろな楽しみができるのは面白くてやめられなくなってきます。
 カメラでもあきらかに性能の劣るトイカメラのようなものが興味深い写真が撮れたりするのに似ているような気がします。何でもいろいろと試してみたくなり、しばらく止まりそうにありません。

2009年7月9日木曜日

真空管もどきアンプの追求

 このブログに何度も登場させた真空管を見せたトランジスタアンプを鳴らすと、基本的には力強い、興味のある音がするのですが、静かなクラシックを鳴らしたときにはどうにも我慢のならない、何か虫がごそごそと這い回るような雰囲気の音が聞こえるような気がします。
 いろいろ考えているうち真空管のアンプの部分は低電圧でカソードフォロアーなんていう妙な回路になっているので、そのあたりの問題ではないかと思うようになりました。
 思い切って真空管の回路をはずしてしまおうと、もう一度改造作業に取り掛かりました。前回のトーンコントロールの切り離しはプリアンプの部分だけを触ったのですが、今回はメインアンプの部分まで解体しての回路変更になりました。
 暑い中、半田ごてをふり回して、やっと真空管回路を切り離しましたが、ほとんど音に変化はありません。やっぱりパワーアンプが良くないようで、このままでは見て楽しむだけのアンプとなってしまいそうです。
 原因が分かる訳はないだろうと思いながら、しまい込んであったオシロスコープを引っ張り出して、調べてみることにしました。
 普通の音楽を鳴らしているときにはさっぱり分かりませんでしたが、正弦波の試験信号を入れて出力をみると明らかにプッシュプル回路のクロスオーバーひず みが見えました。どうりでこのアンプはほとんど熱が出ません。大きな放熱板にファンまで付いているのですが、冷たいままなのでどうしてか不思議に思ってい ましたが、なるほどとうなづきました。
 今度は出力段のバイアス電圧を替えてみる必要がありそうです。最近では珍しいディスクリートの部品で構成されているアンプなので何とかなりそうには思えるのですが、回路を確認するのはなかなか大変そうで、先に進むべきか、もうさじを投げるべきか悩み始めました。
 それにしても込み入った話を書いて誰にも喜んではもらえそうにないですね。

2009年7月7日火曜日

スタンド

 スピーカーに適当なスタンドを付けると、音のもやもやが少なくなり、個々の音が明確になってきました。きっちりとスピーカーが固定されると、焦点が明確になってくるのでしょう。
  小型のデジタルカメラが主流になり、プロ用の一眼レフでも高感度の設定が気楽に使えるようになり、手ぶれ防止のカメラやレンズが多くなったせいか、カメ ラを三脚に乗せて撮影している場面が少なくなりました。以前は必ず三脚を使っていたポートレート撮影や記念撮影の時にも手持ちでどんどん撮影していること が多くなっているようです。
 狙ったところに自動的に合わせてくれるオートフォーカスと、メモリーの大容量低価格化でいくらでも撮れるようになると、思いついたらどんどんシャッターを押しまくるようになりました。ひとつのシーンでもいくつも撮っておかないと安心できないような気分になっています。
 一昔前までは一度シャッターを切るとそれなりに費用もかかり、手間もかかるものでじっくりと被写体を眺めて露出を確認し、ファインダーを確認し、もう一 度被写体のタイミングを見計らってシャッターを押したものでした。撮った枚数が少ないと後から、ベストなカットを選択するにも時間がかからず気合をいれて フィルムを見ました。
 確実にひとつのカットを得るためには三脚は重要な働きをしていたのではないでしょうか。ぶれのないシャープな映像を作るためにはもちろんの事、ファイン ダーの隅からすみまで確認し、そりから被写体の動きを見ながらシャッターをレリーズするなどということは手持ちではなかなかできるものではありません。
 もちろん動きの早いなど三脚を構えてじっくりと捕らえることのできないものもあるでしょうが、狙いを定めて瞬間を狙うにはいつの時代にも三脚が絶対必要です。
 写真の撮り方をもう一度考え直させられたようなスピーカーの設置でした。

2009年7月1日水曜日

スピーカースタンド

 いつの間にか、魔のオーディオの世界へ入りそうになっています。いろいろと遊びながら実験しているとついつい人に話したくなり、見せたくなるのが人情というもののようです。
 ヘンな機械でヘンな実験をしているのを見せたくて、友人を連れてくると、「スピーカーがたたみの上に転がっていたのではまともに音は出ないぞ!」と忠告されてしまいました。
  特に高音を出すツイーターは耳の高さにはしておかないと自然な雰囲気が出ないそうです。いつも寝転がって聞いている私の部屋では耳の高さにするというこ とは畳の上に転がしておくのがちょうど良さそうにも思えるのですが、床にスピーカーボックスの振動が直接伝わるのでまともな音がしにくいだろうとの意見で す。
 スピーカーを乗せられる台がちょうど物置にあり、乗せてみました。
 高音は畳の部屋で聞いているせいか大きな変化は少ないようですが、低音が床に響かなくなったことが影響したせいか、中低音がにごらなくなり、すっきりした音に聞こえるようになりました。オーケストラの音がC席からS席へ変わったような雰囲気です。
 小さなスピーカーなので低音の自然な盛り上がりが少ないのですが、低音に限れば後ろの壁と床に付くような場所に置くほうが迫力が出てきますが、どうしても癖のある音になってしまうようです。
 すこしずつ進歩していく音を聞きながら次のステップには踏み込まないほうが身のためだと言う声が聞こえてきそうです。

スピーカーコード

 最近、友人から真空管の話を良く聞かされるようになって、自分までがオーディオ遊びの深みに入ってしまいそうで不安を感じています。
 以前知り合いのオーディオショップで買ったスピーカーコードを使わないでしまっていたのですが、
ヘンなアンプがやってきたのでこれを使って接続しました。中の銅線は見たところ普通なのですが、外の絶縁体がとんでもなく太く、知り合いに言わせれば、ガス管か水撒きのホースかというほどのものです。
 このホース(コード)を使ってアンプを鳴らしていると、やけに元気なアンプだと感心していました。ケーブルで音が変わるということにあまり信用していま せんでしたが、本当に変化があるか気になっていたので取り替えてみることにしました。取り替えたのはスピーカーコードとして販売されている、すこし太目の ケーブルです。価格はホースに比べて10分の1程度です。
 こんなもので変わるわけがないと思っていたのですが、結構変化がありました。大変元気だった音がすこし大人しくなって、上品になったような気がします。 迫力がなくなってジャズボーカルでは物足らないところもありますが、クラシックの曲はそれらしくなっているような気がします。
 ここまで来るともう少し試してみたくなるのが人情です。音とはまったく縁のなさそうなケーブル(縁がないわけでなく電話の配線に使っているものです)を 持ってきて、ケーブルの中から2本の電線を取り出し配線しました。0.5mmの細い線ですのでちょっと頼りない気がします。
 さて出てきた音は見た目の先入観のせいか雑な音に聞こえてきました。ただ、元気が出てきたような気がします。2番目に使ったコードに比べ迫力がありジャ ズにはこのほうが面白いと思えるほどです。経済性は最初のコードに比べ100分の1以下、1000分の1に近いものです。
 いろいろ考えることがたくさんあって面白いというよりも取替え作業に疲れてしまったというのが本音の話になりました。オーディオ遊びには体力も必要のようです。

散歩にカメラはいかが

 今日は梅雨の合間の晴れ間のようで、明るい太陽が刺すように強烈に輝いていました。その中を汗をかきながら歩いてきました。私の通る石手川の公園はいつも多くの人が散歩しています。
 歩くことを目的に何としても歩かなければと意志の強そうな人も少なくありませんが、そこまでこだわって歩かなくても、自然を観察したり、木々の緑や風景を眺めながら楽しく歩いたのでは目的に適わないのかなといらぬ詮索をしてしまうほどです。
 私はいつもカメラを片手に、面白い影ができていないかとか、樹木と空の対比で楽しいアートができないかとうろうろきょろきょろしながら歩いています。
 勝手な自分流の理屈なのですが、散歩にカメラを持って出かけると何か新しい発見はないかとか、どんな構成で画面を作ると面白いだろうかとか、花が咲い て、新緑に変わるのはいつごろかなど、様々なことを考えながら歩くようになります。体だけでなく頭もフル回転して脳の活性化にも少なからず貢献するのでは ないかと思っています。
 歩くときに体に負荷をかけるためか、足や手におもりを付けたり、手にアレイを持ったりしている方もいらっしゃいますが、どうせ持つならカメラや電池やレンズの方が実用的なのにとカメラ好きは手前勝手なことを考えてしまいます。
 毎日の記録として同じ場所の風景を毎日とり続けて一年たてば、すばらしい記録ができるでしょう。あちこちに咲く、雑草の様な花を追ってみるのも面白いも のです。できた写真がアートになるかどうかは別にして、カメラを持つことで新しい散歩の楽しみができるのではないかと提案したくなります。
 ただ、カメラを持っているとついつい、長らく立ち止まったり、ずっと遠回りをしてしまったり、電池やフィルムがなくなっていらいらとストレスを貯めてしまったりと決められた運動メニューの達成には難しいかもしれません。