2009年2月1日日曜日

ヨーロッパの田舎がやって来た

 昔お世話になった人から郵便が届きました。
 いったい何だろうと開けると鉄道模型のジオラマを撮影したDVDが出てきました。
以前、会社の仕事でお世話にった人ですが、40年位前にお会いしてから年賀状の行き来だけのお付き合いが続いていました。
 確かに鉄道模型をお持ちで、その話で盛り上がった覚えがあります。
 私も模型だけでなく鉄道など乗り物が大好きで、どこかへ出張した時にもまっすぐ行かないで、あちこち寄り道をしたり、往復で東海道線と北陸線のように違うルートを使ったり、前回は飛行機なら今回は船とか違う方法を考えたりします。
 今までの経験では東京から松山への帰りを各駅停車を乗り継いで帰ってきたことや、松山から東京へできる限り私鉄を乗り継ぐなどと遊んでみたことがあります。(この時は関西汽船、阪神、近鉄、名鉄、小田急に乗りました)
 そんな私の話に乗っていただいた人から届いたDVDはご自宅に完成したオリエント急行です。豪華列車なので都会の街中を抜けるシチュエーションかと思いましたが、ヨーロッパの片田舎をイメージしたようなレイアウトで何か気持ちを落ち着かせてくれる雰囲気です
 900mm×600mmのサイズの中にひろーいヨーロッパの田園風景を表していて、いかにも作者の持つ優しそうな気持が表現されているものだと感心しました。作者の経験や感情や思いが不思議なほど入り込むもので、写真や絵画でも作者の個性が入るものですが、それ以上に個性が出てくる作品なのだと改めて感心しました。
 ジオラマでは隅っこの小さな場所に釣り人を配置する神経のこまやかさと、それがあることにより、全体の立体感をさらに拡大させている面白さなど細かな心配りが随所にうかがえるのはさすがです。
 作り上げるまでの記録も残されていて、その几帳面さにも感心させられましたが、まとまって見ているとひと固まりのジオラマの一部でも内部に細かい照明のライトや光ファイバーを使った配線がぎっしりおさまっており、これを作り上げた努力は並大抵のものではなかったことが十分以上に理解できました。
 いつも私が気楽に写真展に参加していることが恥ずかしくなってくるほどです。
 最も素晴らしいとうならされたのは、鉄道レイアウトを撮影したDVDが立派なストーリー性を持って構成されていることでした。とかく記録だけに終わりがちなこのような撮影が、いつとはなしにヨーロッパのどこかを鉄道旅行しているような気分にさせることは90cm×60cmの世界は思えませんでした。
 最近、昔を思い出してどこかでEF-58の機関車模型を買ってきた私に、もうこれ以上鉄道模型の夢を見るのを諦めさせるに十分な迫力でした。

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