2009年9月30日水曜日

ワークショップ展+北海道



 北海道一色になっていた私のブログがアーツビレッジへ戻ってきました。
 今週から来週火曜日(11月6日)まで9月のワークショップ展示です。今月のテーマは忘れていろいろな作品が集まっていますが、須山さんの作品はいつもの大作で注目を集めています。ウィンドウフォトというジャンルを確立した特異なセンスを感じさせます。
 いつもながらどこで、どうやって撮って来たのだろうかと気になるばかりです。
 遅れて来た市内電車もギャラリーを走っていますのでぜひご覧ください。

 同時に、オーナーの北海道ツアーの写真を展示させていただきました。
 JR北海道2600Kmを乗り継いで取材してきた記録なのですが、カメラのことを忘れて感動ばかりでした。
 北海道の広大な大地を走る鉄道の空気が伝わってくれば楽しいのですが、今回は走り回るのに忙しく写真に手が回っていないのが見えてしまいます。
 頑張ってギャラリーへ並べましたのでぜひご覧ください。

JR北海道フリー切符2600Km




JRに乗って旅を楽しんでいる間にはせっせとブログが書けたのですが、日常生活へ帰ると、たまった課題がどっさり山積みで、最後のブログを整理しようとし ていたのですが、なかなか出来上がりませんでした。旅の総括をしようと大それた事を考えてもまとまりそうもありませんから、思いついたことだけ書き残して おきます。
 今回の北海道フリー切符を利用した旅では合計
2600kmを乗車したことになりました。JRに久しぶりに乗ってみてあらためていろいろと印象に残ったことが少なくありません。
 北海道の幹線ルートは車両も素晴らしく、速度も速く頻繁なダイヤで走っていて大変便利ですが、1歩幹線から外れたルートになるとまったく走っていないに等しい状態です。2~3時間に一本で一両の古い車両がのんびりと走っている程度です。
  乗っている人も、老人か、学生か、物好きな旅行者というのが定型パターンのようです。旅行に使うにしても運行本数が大変少ないため、行きたい所へ乗り継 ごうとしても待ち時間が多く、忙しい人にはとても利用できません。広い北海道だけにレンタカーで走るにも距離がありすぎて大変なのですが、乗り継ぎや駅か らの交通を考えると車が絶対に便利に思えます。
 
JRからしても過疎路線は、仕方なく走らされていて、一応形は残しているが、できることなら走りたくないと感じられます。
 このまま行けばやがては廃線かと想像されます。撮影旅行をするとなると駅からの交通が大変不便でレンタカーでないととても無理だと感じるときばかりでした。
 それが時代の趨勢だから仕方がないじゃないのかと言うと、そんなに簡単に肯定できません。
 
CO2問 題が大きくクローズアッ プされ、老齢化はどんどん進んでいます。安全に長距離を移動するには鉄道は便利です。いくらエコカーが進歩してもエネルギー効率も格段に違うのは事実で す。一度廃線にしてしまうと元に戻すのは大変なことでしょう。高速道路無料化が大きな話題になっていますが、そんなに簡単に片付けられる問題ではないと感 じました。

 鉄道を降りて、北海道 の各地を歩きましたが、さすが北海道 は広いものだとあらためて関心しました。過疎と思われる町の人たちといろいろお話しする機会がありましたが、どの人も「自分の町がいいよ!」と自信を持っ て話されているのが印象的でした。自分の町が一番いいと思えることは大変幸せなことで、これがずっと続いて欲しいものです。

 広い大地の皆さんが愛する町の空気が伝わる写真が撮れれば最高だと思ったのですが、現実は列車の時刻表を追って乗ってばかりの旅でした。今度行くときは北海道の空気を思い切り追いかけてみたいと思いました。



from
to
距離(Km)

2005/9/6

稚内

網走

544

2005/9/7

網走

根室

298.7

2005/9/8

根室

洞爺

558.2

2005/9/9

洞爺

函館

153.8

2005/9/10

函館

倶知安

192.3

2005/9/11

倶知安

千歳

139

2005/9/11

札幌

旭川往復

273.6

合計

2601.7

2009年9月12日土曜日

旭川の写真展


 北海道フリー切符の有効期限を最後まで利用しようと札幌から旭川へやって来ました。
 旭川は2度通過しましたが、どんな街か駅から遠目に見ただけで分かりませんでした。
 今日のスケジュールからは旭川の街を 1 時間くらいは散策できそうです。できればコーヒーの一杯くらいは飲みたいものです。
 駅前に降りると一番に目に付いたのは広い駅前通りの両側の自転車の列でした。それも整然と整理してあり、かなり人手をかけていることが伺えます。
 北海道の街としてはかなり都会の雰囲気が一杯で、歩いている人もどこか華やかなスタイルです。駅前から大通りを数 100m 歩いただけで、どうこう語る資格はありませんが、結構元気そうなことは伺えます。
 動物園だけでなく、北海道の交通の中心という意味は大きいのではないかでしょうか。
ここから、北の稚内や東の網走に向けて特急が延びているからターミナルの意味は大きいと感じます。
 いつものように何か思い入れのありそうな喫茶店を探しました。
 これはどうかなと思う、昔の喫茶店が何軒もあること自体素晴らしいことですが、その中の一軒では写真展を実施中との看板があり、コーヒータイムになりました。
  写真展に関してはただ場所を貸しているだけのようであまり積極的な返事はありませんでしたが、写真展は2ヶ月単位のローテーションで変わっているのだそう です。出展者の数から想像するとこれだけの人が見に来るだけでも集客効果としては大きいだろうとついつい営業状況を考えていました。
 写真の話は余り出ませんでしたが、喫茶店の事情に関しては、かなり切実な話を聞いてしまいました。
 このお店ではコーヒーのコストを下げる意味からも自家焙煎が効果的だと話していました。
 駅への帰り旭川ラーメンの店を何軒も見ますが今日は昨晩と今朝のバイキングが胃にもたれ、食べる気力が起きませんでした。
 街角アートに面白いものを見つけシャッターを押してしまいました。
 北海道の観光客のランクは函館、札幌、小樽、旭川だと聞いていましたがなるほどと納得できる 1 時間でした。

2009年9月10日木曜日

スキー場の宿


 北海道フリー切符 最後の宿をどうするか、なかなか決められず、今まで行った場所も含めて迷っていました。
 函館から札幌へ帰るルートとしてまだ通っていないルートとして長万部から函館本線へ入るルートを選ぶことにしました。
 函館と札幌を結ぶルートは函館本線ではなく室蘭本線を通るルートが幹線になっています。
 室蘭や苫小牧と言った大きな街があるから当然かもしれませんが、実際に走ってみると室蘭本線は平地を走っているのに対して函館本線や四国の鉄道と変わらないような山道をうねうねと走ってます。
 この函館本線の中で有名なのは小樽で様々な観光地として光っています。札幌から小樽は頻繁に交通が連絡しています。今回はこの小樽を外して宿を探しました。
  いろいろと悩むうち、最後はどうでもよくなってスキー場で有名なニセコの宿に決めました。温泉もあり、どんなところかちょっと興味がありました。
 宿へ行く駅倶知安に降りると何もな い町でした。何もないところですが宿のバスを待つ時間があり荷物を引きずりながら駅前通を歩くとちょっとしゃれたカフェを見つけました。
 ジャズが自然な感じで流れているのですが、マスターがアメリカ人でなるほどと感じました。冷静な目で見ると内装の大半は手作りや、中古の家具や廃材を利用したものが多いようですが、それが結構自然な雰囲気に配列されてしゃれたムードになっていました。
 ジャズを流すスピーカーも恐ろしく古いパイオニアのスピーカーなのですが、気持ちよく鳴るものだと関心しました。
 遠いところのやっとたどり着いたホテルはこの旅で一番高価な費用だったのですが部屋は一番狭く、食事も朝夕バイキングとあまり魅力を感じませんでした。
 温泉はほどほどだったのが救いでしょうか。

北海道フリー切符はもう少しで終わりです。

ギャラリーをほったらかしてまだ遊んでいるの? と言う声か聞こえてきそうですがもう少しで終わりです。もうちょっとお付き合いください。

  今日のホテルは湯の川でもまずまず上級のホテルで昨日のホテルとは大いに雰囲気が違います。まず、スタッフが豊富でいろいろと心遣いを感じます。ただ、私 のような気の小さい人間にはあちこちで見張られているようで、気楽に行動できないような気分がして落ち着かないのも本音のところです。
 こんなちょっとかしこまったホテルにしては気軽な値段の設定なので、食事の内容などは期待しないほうがいいだろうと思っていました。昨日の洞爺温泉でも食事の見た目は寂しくないようにしながら、いかにコストを抑えるか苦労がしのばれる内容でした。
  今日のホテルはさらにそんな気持ちが感じられました。高級ホテルらしく使っている器は立派だし、盛り付けも見た目に豪華な雰囲気を感じるようにしてありま すが、使っている食材はコストをおさえようとした努力が感じられます。この対極が網走のホテルでカニや鮑やイカなど、そのままどんと並べたという雰囲気 で、すごいと言わせるものがありました。
 カニも食べ飽きたという思いもあり今日の豪華な雰囲気でややあっさりとした食事がちょうどぴったりな状況なので気持ちよく満足することができました。
 昨日のホテルと同じ8畳間なのですが、どことなく狭く感じるのは外に広がる湖の存在が大きかったのかもしれません。
 食前、食後に温泉につかりながら今日の反省をしていました。

  もう一つ、カメラで気になっていることがありました。今まで使っていたメモリーがどうしても、メモリーエラーを起こして書き込めないことです。残り少なく なってきたので、パソコンへ転送し消去したのですが、パソコンでは読み書きできるのにカメラではエラーを起こし使えなくなっていました。
 この際もう一度確認してみようとパソコンへ入れ、読み書きやフォーマットを試しました。このメモリーはjマイクロSDカードをいろいろなアダプターを介してCFサイズにして使っているものなのですが、パソコンでもエラーが出るときが発生しました。
 よくよく眺めるとSDカードアダプターの書き込み禁止スイッチが中途半端な位置に止まっていることを発見しました。多分これだろうとしっかりと解除側へセットし使ってみるとすべて快調に動くようになりました。またまた、中途半端な私の性格が出たようでした。

来たぞ函館








函館駅に着いた
 今回の旅で通過した町の感覚からは本当に華やかな大都会に来た雰囲気です。特に函館駅は私の記憶にある駅とはまったく違った近代的な駅に変わっていました。
 今日の泊まりは函館の温泉街、湯の川温泉に決めました。旅の終わりは温泉につかってゆっくりしようと温泉を選び勝ちになりました。
 函館駅から路面電車で湯の川まで行き、宿に荷物を置いてカメラで遊ぼうと計画しています。このため、電車の一日乗車券を使うことにしました。一日乗車券は600円で松山の感覚では高いかなと思いましたが、3回乗れば十分なので便利なのは確かです。 道後温泉へ路面電車て行く松山とよく似ています。
 ホテルには荷物を入れただけで大急ぎで飛び出してきました。
 まずは電車から見えた五稜郭公園の近くのカメラ屋さんです。走りながら見えたのはウィンドウにカメラが沢山並んでいたように思え、ひょっとすると中古カメラに熱心なお店ではないかと思えたので、見たくなりました。電車から降りて実際にウィンドウを眺めると中古カメラはなく、今若い女性に人気のトイ・カメラが沢山並んでいました。観光地のこの函館にはぴったりだと気が付きましたが、私にはちょっとがっかりです。
 もう一度電車に乗り古い建物の多い元町方面へ向かいました。そのうち予想もしない雨が落ちてきました。傘を持ってこなかったのでどうしようと思っていると、今度はカメラの電池が少なくなっていると事に気が付きました。ホテルに荷物を置いてあわてて飛び出してきたので、肝心なことをすっかり忘れて出てきました。
いつも失敗の多い私らしいと苦笑いしながら、やっぱり諦めきれない心境で、携帯電話のカメラのシャッターを押してみました。このカメラは500万画素でオートフォーカスが付いている、機能だけ聞くとカメラとして十分な性能なのですが、いつの間にかシャッターが切れたり、一度シャッターを切ると次の撮影までやけに待たされたり、撮った映像もレンズのせいか、映像処理のせいか薄っぺらいような仕上がりになってなかなか満足できません。
 いろいろと対策を考えるのですが今日は打つ手が考えられません。ここの電車の速度では出なおしてくると1時間はかかりそうです。

 結局、函館ならまた来ることも不可能ではないだろうと諦めてホテルに帰りました。

洞爺湖畔散策


 洞爺湖は温泉にたっぷり浸かり、料金を払ったら何か儲かったような気分になって、いつもは買わないお土産を売店で買いました。
 洞爺湖周辺には観光地が沢山あることは知っていましたが、バスで行くには不便ですし、今回のフリー切符で行けるだけ行きたい気持ちがあり、今日は函館の予定です。
 バス待ちの時間があり、洞爺湖畔の散歩に出かけました。
 いざ歩き始めるときれいに整備され、さすがにサミットを実施した場所だけのことはあると分かり始めた。随所に様々なモニュメントが設置されていたり、花壇やフラワーポットが沢山配置され、延々と続いています。
 駐車場にはキャンピングカー沢山止まっていて、その中の1台は長いアンテナを車上に突き出しており、つい話しかけてしまいました。全国各地へ移動してアマチュア無線を楽しんでいるのだそうです。四国にも当然行ったけど、橋が高いし、風が強くて面白くなかったと言われてしまいました。
 これだけの景色をカメラに収めないわけにはいかないとバスの時刻も忘れてシャッターを押し続け2GBのメモリーが一杯になるほどでした。これぞと思うときには撮っておかないと後の後悔ばかりです。
 湖畔だけでなくいろいろ行きたくなってきましたが、次の予定に遅れてバスに乗ることにしました。

2009年9月9日水曜日

最安ホテル

今日の宿は例によってインターネットで探し出した宿ですが、値段を見て、興味津々、おっかなびっくりでした。

 何しろ、温泉ホテルで1泊2食で5,300円と今回の旅でも最安のホテルです。
  どんなものが食べられるかもですが、どんな部屋かも気になります。

 通された部屋は湖が真正面に広がる8畳間で古いことを除けば立派なものです。畳は新しく張り替えられて私の自宅よりもよほど立派です。
 温泉ホテルですから部屋に風呂はありませんが、トイレも完備です。
 インターネットがないのが残念ですがゆったりできます。
 一番驚いたのが食事を部屋に運んでくれたことで、旅館に泊まった気分です。
 さらに、湖では花火があがり多少寒くなった時間ですが、テラスに出て部屋から鑑賞ができました。
 風呂も古さはありますが正に大浴場でゆったりと旅の疲れを癒すことができました。
 この旅も、ここでゆっくりと終わりにしたい気がしてきました。
 

ありがとう根室


根室からの各駅停車は小雨降る平原を駆け抜けて行く。

刈り込んだ牧草地は小雨に洗われてみずみずしく、それを淡い霧のフィルターをかけて幻想的なシーンにして見せてくれている。

車内もうっとりと見つめているせいか静かな空気が漂っている。
(ただくたびれて寝ているだけかもしれませんが?)

この雰囲気を写真に記録したいが揺れる車内、曇った窓では手が出ないそれでもやっぱり写真にしたい時にはどうするか考えてみます

・出来るだけ早いシャッター速度を使う、シャッター優先設定という方法もありますが、プログラム設定でシフト操作をする。
・ピントを迷わせないためオートフォーカスを外す
 同じように露出も固定したほうがいい場合がある。
・ガラス窓の汚れの少ない所を探す
・ガラスの反射を避けるためレンズを出来るだけガラスへ近付ける。しかし、ガラスへくっつけると車体の振動がもろに伝わりブレが出る。
・レンズの先に光が入らないようカバーする
・ブレを抑えるため広角レンズを使う。
・できれば露出も固定する(乗り物自身が動いているから、へたに固定するのも難しい)。
・へたな鉄砲でもまぐれ当たりがあるから沢山シャッターを押す。
などと思い付きますが実際には難しいものです。
多少、かすんだ絵も場合によっては雰囲気が伝わるものです。

最長距離








 朝 8 時22 分根室駅を発車。ディーゼル車 1 両ですが、ほぼ席は埋まるほどで観光客とおぼしき大きなスーツケースを転がし人が少なくありません。
 駅前旅館に一泊しただけの慌しい旅で、せっかくここまで来ても岬までは行かず、街をほんの少々散歩しただけでした。
 北海道の町だけではありませんが、中心商店街と思えるところも閑散として人通りが感じられません。広々としたゆったりした町並みだけにしゃれたカフェくらいあってもいいと思うのですが、どこにも見当たりません。ラーメンでも食べたいなと思うのですが、開いている雰囲気が感じられないお店ばかりです。やっと明るい店を見つけて入ると店員さんたちのお食事中で、どうしようという雰囲気でした。東の端を目指した観光客がやってくるとは言え、その数は知れたものだし、大半は車で岬を目指し、町を散歩する人などいないのでしょう。
 でも住んでいる人は予想以上に元気でこの根室を愛する人たちが多いのに驚きました。ただ、町が静かなのはいつかの異常な好況の名残や無理な公共事業などで身分不相応な物体をつくり維持できなくなったり、その物体により既存の産業が取り残されてしまったりした結果も少なくないのではないかと思ったりします。
 今日は 釧路まで普通列車で出た後、 特急おおぞらに乗り換えます。特急列車も 4 つ目になります。同じ特急でも今回の特急が一番新しそうです。編成も 8 両編成でかなり迫力が違います。シートもかなり豪華に見えます。
 約 3 時間半特急に乗り根室を出発してから 6 時間以上経過 しています。今日はこの南千歳の駅でもう一つ特急に 乗り換えます。今度はスーパー北斗 16 号で乗車時間約 1 時間のところの洞爺までです。
 洞爺の駅からバスで洞爺温泉のホテルへ到着しました。
 今回のツアーでも一番長い一日で到着したら温泉で休む だけの気力でした。今日のホテルはインターネットもなくブログを書くことも、メールの確認もできません。 温泉宿でしごとなんかさせないと言う親切かもれません。

2009年9月8日火曜日

サテンドール

 根室は日本の最東端にある町ということて、何となく行ってみようかという気持ちあったのですが、JR北海道の車内誌を見ていると根室の町を歩くルポがありました。
 このルポの中で「サテンドール」というジャズ喫茶が載っていました。
 どこの町でもジャズ喫茶があるとというと 、一度はたずねて見たくなる昔ながらの習性がある私は、「よし行くぞ!」と張り切ってやって来ました。
 根室は釧路から2時間以上もかかり、北海道を巡るにしてもただ、東の端の町だと言うことだけで訪ねるのは大変だなーと迷っていました。
  ネットで宿探しをしても、あまりこれはという宿が出てきません。いくつか出てきても駅から遠そうなところなどウンザリしていましたが、根室市観光のサイト から探すと駅前旅館が見つかり、電話予約ができました。最近はネットばかり利用するようになり、電話で予約するのが面倒になっている時代の変化をわれなが ら思い直しました。
 目的の喫茶店は広い駅前通ですぐ見つかりました。宿に荷物を置いて町を一回りして喫茶「サテンドール」に入りました。さほど 大きくない店内は私の頭の中にある40年以上前の喫茶店がそのまま残っていました。LPレコードが壁にびっしりと並びその歴史と力の入れようが分かりま す。
 喫茶店はうらやましいほど大変仲のよさそうなご主人と奥様の力で長年このお店を守ってきたのがよく伝わってきます。
 お店の雰囲気とともに歴史を感じさせるスピーカーから出る音は最近のどこまでも正確に動いているような緻密な音ではありませんが、ゆったりと心をほぐしてくれるようなおおらかな音で鳴っていました。
 緊張感のない、こんな音はいつまでも、こーひーを飲みながらリフレッシュするには悪くないと改めて思い直しまた。この音の雰囲気が、このお店の雰囲気そのもので、ゆったり時間が流れるムードを作っているのではないかと感じました。
 最近は古いカメラを手に入れて楽しんでいるというご主人と話が弾み、帰るのが惜しいようなお店でした。

2009年9月7日月曜日

釧路本線 根室へ








釧路本線
親切でかわいいフロントの北海ホテルを出て、今日は次の目的地に決めた根室へ向かうことにしました。
今朝も根室のホテル探しにインターネットが大活躍です。
 昨日の夕食はかにがどっさり、ホタテもいろいろ、イカもあるといういつもは食べられない高級魚介類の大賑わいでしたが、今日の朝食も豆腐やのり 、味噌汁の普通の朝食にイクラやイカなど一杯ビールでも欲しくなるようなメニューです。パンやコーヒーも親切に準備されていて見かけの立派なリゾートホテルのメニューよりも実質 的には高級食材ではないかと思うほどでした。
  この北海ホテルのチェックアウトで払った金額はビール代金をプラスして5,950円、本当にこれでいいのと思わず聞き返したほどでした。 あの夕食だけでも松山の 、かに専門店のより高価な料理よりも量も質も上のような気がしてなりませんでした。当然ですが、朝食も部屋代も含んだ金額です。
 今日の目的地根室へ向かう釧路本線は単線ですが、運行本数が少なく、駅間距離が長く快速列車ですが、速度は特急並みに走っているようです。もともと特急列車は走っていませんから優等列車を通すために延々と駅待ちすることもなく快適に走っています。
 くしろ湿原を通過する魅力的なルートのせいか、 1 両編成の車両はほぼ満席状態です。素晴らしい景色がどんどん過ぎていくため、カメラを持ちながらもう少しゆっくり走ってくれないかと願うほどでした。昨日までの特急では窓から見る景色だけ のため、安定画像を得るとはほとんど不可能でしたが、 1 両だけの車両のため、車両の前後から覗くことができ、多少は安定した写真にできるような気がしました。
 今日は雨もちらつく曇り空で、湿原が湿って より深みのある雰囲気となり、車窓からの景色も一段と冴えていたようです。ここに留まってじっくりとカメラを構えたい衝動が沸き起こってきました。

石北本線網走行き








 朝 6 時過ぎに起き、朝食に向かいました。イカ墨やイクラも用意され、これが夕食でも文句は無さそうな豪華な朝食です。さっと食べて出発しようと思っていましたが、じっくりと食べないともったいないと思わせます。
 これだけ食べて、質素ながら も新築 の宿で、話に聞いていた 7,500 円ですむのか心配していましたが間違いなく儲けたような気分で駅に向かいました。
  稚内から旭川へもどり、今度は石北本線の網走行きへ乗り換え ます 。
 乗り換えの旭川駅は旭山動物園のムードが一杯になっている。アイヌの大きな彫り物が駅前にあ ます が、今は動物園一色で す 。こんなに全国的に知れ渡る素晴らしい動物園に仕立てた人たちの能力に感服 します 。テレビドラマにあやかって一時的に話題が盛り上がってもいつの間にか消えうせる話が多いだけに町おこしとしても素晴らしい ものです 。 さらに富良野方面に向かう観光客 も多く、元気な北海道を感じまた。
 先ほどまでの宗谷本線と今回の石北本線ではムードが大きく変わ りました。 今までは、いかにも北海道らしい広大な景色が広がってい まし たが 、大雪山の近くを走る山岳ルートになり車窓は森が迫ってきます。さすがに北国でもう紅葉の雰囲気でところどころ黄色味を帯びた葉が目に付きます 。
列車の速度が大幅に落ちていくほどの上り坂が多くな りますが、北海道らしいのはあまり急なカーブはなく、豪快に上っていきます 。
  北見に入る とかなり都会的な街になり、今日の目的地網走に近づいたことを感じるようになってきました。
 網走の駅は監獄が売り物です。
 駅前はみやげ物店が軒を連ねるほけでもなく換算とした雰囲気ですが、全国チェーンの宿が並んでいるのが印象的でした。 今日の宿は駅から近く、経済的な ことも魅力的なホテルです。値段から期待するほうが野暮だと思っていましたが、フロントレ ディーが大変親切でこれだけでも魅力は倍加します。部屋も古さは感じますが、結構広く昔の観光旅館というムードです。安さはバス、トイレが部屋に付いていないと言う事だけのようです。
 期限実的には大浴場があり温泉気分でゆったりすると小さなバスにつかるよりもよほど気分がいい。すこし、時間があり今日も街中散歩に出かけることにしました。
 今日は地元の商店街の七福神祭りの開催中と言うことで結構盛り上がっていました。 し かし、周辺の町並みを歩くと、空きテナントが目立ち今日のお祭りの対比で大変さが 伝わってきて複雑な気持ちがしました。

宗谷岬



とうとう稚内までやって来ました。宗谷岬へ立って、これが日本の最北端かと納得しました。 しかし、ここではカメラをどこへ向けていいか思いつかめません。広い海は晴天で深いブルーで結構魅力的ですが、さりとて写真としての面白みにかけ、難しいものです。
 最北端だと宣言するモニュメントやお土産やはたくさんあり、ここに自分は来たのだと記念写真を撮るには不足はありません。だからといって沢山シャッターを押したくなる気分にはなってきません。昔日本軍が北の監視をするために建造した展望台に立つと回りを見渡すことができます。
 今日は暖かい晴れた日の元で嘘の様に平和な世界なのですが、厳寒の世界になるとまったく違ったドラマがいくつも生まれたのだろうなと想像できます。
 そんな思いで、ファインダーを眺めてみても、北の端っこを見に来ただけの観光客(自分も含めて)しか写らない景色はどうにもしまらない風景です。
 写真とは何か、ボーと考えている間に帰りのバスの時刻になってバス停へ向かうことにしました。バス停には着た時同じバスに乗っていた人たちばかりです。
 しかし、バスの中で地元のおばうちゃんたちが、昆布漁の話に楽しそうに盛り上がっているのが妙に印象に残りました。
 稚内の街へ帰ってカメラを持って散歩に出かけました。北海道の町はどこも広々していて少しくらい歩いても景色が変わりません。
 町全体は北の果ての町に来たという感覚は各所に感じますが、カメラにその雰囲気を捉えられる力が私にはなさそうです。
 そんな中で面白いと思ったものは港の漁船の集魚灯の数と大きさに圧倒されたのと、街角に点在する消火栓がその存在を表示する標識とともに可愛い雰囲気にカメラを何度も向けさせられました。雪の多い北国ではこんな形になる必然性があるのでしょうが何となく不安定な設置状況と可愛い表情になっている赤のバルブが面白く感じました。
  歩き疲れて、宿の風呂にも入って夕食です。
 気分はビールが待ち遠しくなっています。考えてみると旭川で特急を乗り継ぐために降りてハンバーガーショップで食べた朝昼兼用の食事以来で少し空腹を感じていました。
 空腹なら何を食べてもうまいものですが、こちらの夕食は下手な会席料理よりもよほど量も質も立派です。ネットで見ていて、沢山夕食が出ることは予想していましたが、それは予想を大幅に上回るもので身がホクホクとしたカニはたっぷり、サザエやえびやうにと日ごろ目にしない、目にしてもほんの少々、味を楽しむ程度のものがここでは何もかもどっさりという感じです。
 のどが渇いていてビールもいつもよりすいすいと入っていきます。 忘れないうちに、翌朝の食事について宿の案内には7時になっているけど早めにできないかとたずねるといとも簡単に「6時でいいですか」と応えられてあっけにとられてしまいした。
 一杯飲んで(と言ってもビール1ビン)一杯食べて今日のメモの整理など何もできないで寝てしまいました。 

さあ出発です




さあ出発 札幌のホテルを早めに出て、札幌駅へ。 荷物が多いのでタクシーに乗って出かけようかとも思いましたが、札幌の地下鉄に最近乗っていないので、地下鉄に向かいました。階段を降り始めてエスカレーターが無さそうなのに気が付き、しまったと思いましたがもう遅い、引き返すのも大変です。荷物が多いときにはエスカレーターの有難さがよくわかります。

 札幌の地下鉄はゴムタイヤで走っているので有名です。音が静かだと言われていますが、あり難くなるほどの効果をあまり感じません。それよりも従来の地上の列車との相互乗り入れができないのが残念です。

 札幌駅に着いてフリー切符を手に入れ、特急スーパー宗谷の指定席をもらったらまだたっぷり時間がありそうです。それならば旭川までその前の特急に乗れそうなので他の特急にも乗ってみることにしました。 いろいろと思いつくまま乗れるのがフリー切符の醍醐味です。スーパー宗谷はディーゼル車ですが、旭川までの特急スーパーカムイは電車ですから、乗り心地はかなり違うと感じます。車両も新しく乗り比べても見る面白さは十分にあります。

 旭川駅は旭山動物園のデコレーションがあちこちに並んでいて、動物園の人気の高さが伺われました。それ目当てと思われる観光客も沢山目に付きました。

 旭川からスーパー宗谷に乗り換え宗谷本線に入ると雰囲気がかなり変わり、まるで人気のないところをぬけて行きます。でも、結構上り坂は多いようで高出力のディーゼル車は大して負荷を感じろことなくグングン登っていきますが、SL時代の運転は大変だったろうなと考えたりしていました。

 とうとう稚内までやって来ました。

 北海道の広さがわかります。朝8時半に札幌を出て、到着は13時28分に稚内へ到着。正味5時間かなりな速度で走っています。最初レンタカーにするかJRにするかちょっと迷いましたたが、一人旅だし、北海道は十分広いということを経験していたので、JRを選びました。フリー切符を有効に使うとレンタカーよりも経済的になりそうです。走っている間は寝てても大丈夫です。ただ、砂ところに止まって存分に撮影することは無理ですから撮影が主体には向きません。今回はいいロケーション探しに主体を置くことにします。

 車両を主体に撮影も興味深いものです、JR九州にはユニークな車両が多く、営業的にも独自な雰囲気があり何度か利用しました。JR北海道も独自の新しい車両が有名になったり、DMVの車両実験をしたりと積極的な姿勢が感じられ興味を引かれます。 機会を見つけて鉄道車両も追ってみたいものです。

北海道取材旅行

 現在ギャラリーR2Vはちょつとお休み中です。北海道で今後のギャラリーの作品について研究中です。しばらくお待ちください。
 それでは、北海道取材の現状をお伝えします。

 今で北海道へ行くと言っても、そのほとんどは札幌への往復でした。たまに余裕のあるときは札幌以外へ足を伸ばしても小樽や函館である。
 以前、私の奥様と道東をドライブしたとき、これぞ北海道と思う広さを改めて感じたことがあります。さらに昔、40年以上前に学友とポンコツ車で四国から走ってきた時があるりますが、その時も全道を一周したわけではありません。その時とは時代が大幅に変化していていろいろと興味はつきません
 長年のサラリーマンを退職し多少時間に自由ができました。こんなとき、札幌で以前の会社の同期入社の同窓会が行われることになりました。
 いい機会なので、少し早めに北海道へ行き、昔挑戦してみたかった全道一周を実行し様々な情報を集めてみることにしました。全道一周と言ってもどこまでできるか限界のない話ですが、いつものようにレンタカーで走るには少し距離がありすぎるように思い、昔の国鉄時代にあった周遊券があるか調べると北海道内乗り放題一週間の切符がありました。昔の周遊券は各地から出発するとことが原則であったと思いますが、現在のフリー切符は現地だけの形式なので飛行機で到着してから利用でき、現実的です。
 このフリー切符を最大限利用して回ることを考ました。ただ、若い時代には野宿もいとわない旅をしていましたが、毎日ホテルを利用し、体力に負担のかからない程度の行動にすることにしました。
 長距離列車に乗ってばかりであまり写真は期待できません。写真を欲張ると走り回れません。今回はいつもと目的が違ってJRに乗ることが目的みたいなものです。
 時刻表で確認すると特急列車のほとんどは札幌が起点になっています。それ以外の枝線は走っている列車の本数が極端に少なくなっていて計画を誤ると行動距離が大幅に少なくなります。当然ですが自動車社会になって鉄道は細る一方です。
 あまり計画らしい計画もせず、まずはまだ行った経験のない稚内から始めることとして、後は自分の体調や時刻表と相談しながらルートを決めることにしていくことにします。ルートが決まれば宿も、インターネットで調べて予約を入れていくことにしました。