2009年1月30日金曜日

ギャラリーめぐり

 街を歩いていて、ギャラリーを見つけると、どうしてものぞいて見たくなります。
 特に写真のギャラリーは、黙って通り過ぎるのはもったいないと、忙しいときにも足が向いてしまいます。
 つい最近まで、東京の銀座には多くの写真ギャラリーが集まっていて東京出張の最大の楽しみでした。しかし、いつの間にかフジやコダック、ライカのギャラリーが引っ越したり、廃止になってしまって大変寂しくなりました。駅のそばで何かのついでに行けると、のぞける機会が多いのですが不便な場所になるとなかなか行けません。
 都会で見る作品には、アイデア、力量、展示方法など見るたびにすべてに関心させられるものがあり、見逃せません。たくさんのギャラリーがあれば、互いに刺激し合っているようでより大きな感動になるような気がしました。
 有楽町の駅前のコンタックスのギャラリーはもうすぐ閉鎖が決定し、さよなら展示で有名な先生たちの作品が並んでいました。どれも素晴らしい作品で素人がどうこう言えるものではありませんが、それぞれの人の個性が決まっていて私のような物好きには新鮮味が少ないのも事実です。改めてその人の持つ個性は強いものだと関心しました。
 また行き易いギャラリーが消えるのは大変残念です。
 デジタルカメラの時代に移行し今まで写真文化を支えていたカメラメーカーがカメラから撤退し、カメラとは縁のなかった電気メーカーが写真を作るようになってきたのですが写真文化を牽引するようにはなっていないのが現実ではないでしょうか。
 いつでも使える携帯電話カメラや手軽に素晴らしい写真の撮れるデジタルカメラで写真をとる人口は大幅に増えているのに文化としての育てる環境は少なくなっているのではないかと心配です。利用する人のレベルが上がることによって新たなカメラのニーズも生まれてくるのではないかと思います。
 日本の素晴らしい技術をカルチャーに育てていく姿勢もメーカーとして重要な役割ではないかと思うのですが、現状をみるとさびしく感じるのは私の個人的な感傷なのでしょうか。

2009年1月28日水曜日

照明

 自分のギャラリーが欲しいと思ったとき、作品の照明だけはこだわっていきたいと考えていました。毎年自分の作品を展示している公立の美術館も照明はあまり自慢できるものてなく、全体を照明する蛍光灯が固定されているだけなので、作品が際立ってきません。
 希少な作品を長期間展示するのであれば、照明による退色なども考慮する必要があり、強い光を当てることは控えなければならないでしょう。しかし、短期間、我々のような俗人が作品を発表するのであれば、見る人に作品の持つ力以上に映えるように展示したいものです。このためできる゛けスポットランプを利用して作品に証明が集中できるように考えてみました。
 現在のR2Vはまだまだ試行中で完全ではありませんが、多くのスポットライトを用意していますので、展示される方はいろいろと試してください。「馬子にも衣装」とは言いませんが、自分の手塩にかけた作品を光らせてください。
 照明によって作品のプリントの仕方も考慮する必要があります。日本の照明は暗い目のところも多くその場合は多少明るい目のプリントで、明るい照明のところでは暗い目のプリントが見やすくなるそうです。
 照明の世界にも省エネルギーが要望されているようでLEDのスポットライトなども検討されているようですが、照度、演色性、コストなどいろいろ課題があるようです。
 電子回路にいろいろと携わってきた経験から、ぜひ挑戦してみたいと思っていますのでアドバイスをよろしくお願いします。

フラッシュ

 雨の時には写真を撮ろうと書いた後でふと考えました。
 暗い時にはフラッシュと言うのが常識だとは思いますし、今のカメラは暗い場面では自動的に光ってきれいな写真を作ってくれます。
 でも、私はちょっと天の邪鬼的に、明るい時にはストロボを光らせて、暗い時にはフラッシュなしで撮ってみるのが面白いと考えています。
 まず暗い時ですが、暗い時にみんなで記念撮影するにはフラッシュは便利ですが、せっかくの夜景でストロボをたくと不自然なことが起こりかねません。ストロボは近くを明るくしますが、少し離れると光は届きません。ネオンサインの輝く夜景を撮ろうとして、ストロボを光らせると近くの看板を光らせて遠く夜景が写らなかったなんてことが起こりかねません。現在のカメラは近くのお友達を適切な露出できれいに撮りながら背景の夜景も奇麗に写せる、素晴らしい頭脳を持っていますが、夜景だけを写そうとする時にはうまくいかない場合があります。
 完全なオート撮影と共にフラッシュを停止した撮影も試みてください。ついでに露出補正を少しマイナスにしておくと夜景らしく撮れるかもしれません。
 逆にフラッシュが絶対に必要無さそうな日中にフラッシュを使うことも意外に効果的な時が少なくありません。強い太陽の光の下で顔に強い影ができるような時はフラッシュの光で影を消して自然な感じを作ることができます。逆光の中で写したいものが真っ黒になりそうな時でもフラッシュを当てるとはっきりと写すことができます。ただ、近くのものは明るくなりますが、少し離れるとどんどん光が弱くなりますから、不自然な感じが出ることも少なくありません。それを利用して被写体を盛り上げることも写真の面白さではないかと思っています。
 何となく、カメラにくっついているストロボを楽しく使ってみませんか。

順光 逆光

 私が最初にカメラを手にしたとき、写真は光を背にして撮らないときれいな写真は撮れないと言われていました。顔に光が当たると全体が一様な明るさとなり、何もかもがきれいに取れます。
 背景から光がはいると、光の変化が大きく露出の値を正確に決定することが難しくなります。全体の明るさを基準にすると、カメラを向いている顔は暗くなります。特に後ろの光が強いとどうしても影絵のようになってしまいます。
 影の部分に露出を合わせると理屈上はきれいに撮影できるはずですが、強い光の影響で光の乱れが写ってしまい、頼りない映像になってしまいます。
特に昔のレンズは光の乱れを防ぐレンズのコーティングがなかったり、あっても効果が薄いため、レンズに直接光が入るとフレアやゴーストなどと言われる光の乱れでとんでもない形になってしまいます。
 特に強い太陽の光をまともに受けると、シャッター幕が焼けてしまうようなカメラ本体のダメージにもなる場合すらあります。
 だから、絶対にカメラに光が直接入るような逆光で撮ってはいけないかと言うと、現代のカメラは逆光こそ面白い写真が撮れると言えそうです。
 レンズのコーティングやカメラ内部の反射防止処理が重視しており、多少の直接光線が入っても画像の乱れは大幅に少なくなっています。
 程よい逆光は被写体を素晴らしい雰囲気に持ち上げてくれます。後光のさす画面というと神秘的です。光が透けて見えるような花びらや新緑の葉っぱはいかにも生き生きとした感じを出してくれます。
 真後ろの光でなく、斜め後方とか横からの光線は被写体の立体感を増し全体に立体感のある構成ができます。
 プロのスタジオなら複数のライトを効果的に使って盛り上げられますが、アマチュアでは素敵な光を探してシャッターを押すことが必要ですね。

W vs. M

 携帯電話のカメラで気楽に写真することを知った人たちが、より楽しい写真の世界を求めて本格的なカメラを始めたということを聞きます。
 昔、写真は男の世界の趣味と思われていました。カメラはフィルムを装填し、露出をきめ、ピントを合わせ、フィルムを現像し、引き伸ばし機でプリントする。面倒な儀式がたくさんあり、簡単に取り組めるものではありませんでした。
 いろいろと面倒な理屈を考えらがら取っていたせいか、出来上がった写真は「よくできました」と言えても、面白いと言えるものがなかなかできなかったのではないでしょうか。
 それに比べ、ただ押すだけでもきれいな写真がとれ、少々では失敗をさせてくれないほどになってくると、多少のブレやピンボケがあっても「かわいい」「きれい」「おもしろい」と言えるようなものが注目を集めるようになってきました。
 技術でなく、感覚で写真を撮るようになってくると、どんどん女性のカメラ愛好者が増えてきました。面倒な理屈抜きに面白い写真が撮れハッピーになれるのですから、三脚や交換レンズをずっしりと抱えていかなくてはまともな写真は撮れるものではないと言っていた真面目なカメラマニアには力の抜けるような時代になってきました。
 技術を発揮できることで達成感を楽しんでいた男どもから、楽しい感覚で新しいことに挑戦する女性の時代に大きく変わっています。
 私の所属する写真のサークルでも今までの写真では考えられないような視点で斬新なカットを見せるのは女性が目立っています。皆様の参加を待っています。

2009年1月27日火曜日

大きく伸ばして

 携帯電話で写真を撮っている皆さんは、携帯画面でみんなに見せ合って、しばらくすると上書きしてしまったり、メモリーにしまったままで忘れてしまったりしても写真を紙にプリントすることなく終わることが少なくないのではないでしょうか。
  かわいいプリンターに赤外線で手軽に印刷できるものもありますし、カメラ店の端末でプリントして皆さんに配ることもあるかもしれません。ただ、以前の フィルムカメラだと撮ったフィルムを写真屋さんに預けて、写っている写真はすべてプリントしていた時代とは大きく楽しみ方が変わりました。
 見方を変えれば、従来は一応写っていれば何でもOKだったものが、プリントするには取捨選択する選択眼が必要になってきていることです。これは写真文化の大きな転換点になるのかもしれないと思えます。
 自分で良い悪いを考えることはさらにいいものをと思わせるきっかけになり、それが写真の面白さにもつながっていくのではないでしょうか。
  せっかく、いいものを選ぶ判断力がついてきたのなら、いい思うものをと大きくプリントして好きな場所に飾ってみてはいかがでしょう。自分の写真でも毎 日、毎日見ているといろいろ考えることが出てきます。どんなに良く見えたものでも気になることも見えてくるものです。逆につまらいと思っていたもので も、面白いと思えるときもあったりします。そんなことを積み重ねると、次の楽しみが出てきます。
 自分の写真に他人がどう言おうと自己満足するのも悪くありません。自分の写真ができたら大きく伸ばして、どんどん飾ってみましょう。ある程度たまったら、整理して個展でもいかがでしょう。

三脚

 携帯電話やコンパクトなデジカメを使うようになって手を前に伸ばして撮影することが普通になってきたようです。
 携帯では両手でなく片手でわいわいおしゃべりしながら、カシャーンとやっているのを見ると、昔からカメラを頑張っている人間には「あれでまともな写真が撮れるのかな???」と、他人事ながら心配になってきます。
 手持ちでカメラを構えるときは両手で脇をしめてしっかり握り、ファインダーをおでこに押し当て3箇所で固定して、できれば息を止めてシャッターを静かに押し込むのだと伝統的な作法を習った覚えがあります。
 どこかはっきりしない写真でも、小さなプリントなら気になりません。特に携帯の画面で見ている程度ならわからないかもしれません。さらにいくらでも気楽に撮れるデジカメなら、だめなら取り直せばいいのです。
 こんな小型のカメラなのだから、うまく写らなくても仕方がないだろうとか大きく伸ばすことは無理だろうと思っているのではないでしょうか。そのカメラでもしっかり固定するだけで見直すような写真が撮れる可能性があります。
 小型の三脚でも手持ちに比べれば比較にならないほど安定します。セルフタイマーに使うだけでなく、ここぞと思うときに使ってみてください。(ただ、最近 はカメラメーカーもあまりにコンパクトに作るためや、実際の利用方法に妥協したりしているため三脚を取り付けるネジ穴のないものもすくなくありませんが)
少し、大きくプリントすると期待以上の作品ができるのではないかと思います。ぜひ、試してみませんか。
 三脚を使わないときでも、テーブルや柱など近くの固定しているものを利用してカメラをできるだけ動かないようにして撮るのも一案です。折角ですからできるだけしっかりした画面作りを心がけたいものです。
 

2009年1月26日月曜日

露出補正

 最近は利用が少なくなりましたが、それでも観光地などでは必ず売られているレンズ付きフィルム(使い捨てカメラと言うと何となくエコに反するようなので)は、結構どこでもほどほどに写り重宝されていました。
 暗いところはストロボを使うことで、明るいところでも暗いところでも不思議なほどによく撮れていました。どこかに自動の露出調整があるわけでもなく、ピント調整があるわけでもなく、ちょっと暗い目のレンズと高感度フィルム、高度なプリント処理などのおかげで下手な自動カメラほど撮れていました。
 それに比べると現在のデジカメはかなり高度に露出も図り、ピントも合わせ、必要によっては感度(ISO)までも自動で調整しています。それなのに逆光などでは暗い顔になっておかしいなと思うこともあります。
 レンズ付きフィルムは明るいところから暗いところまで、幅広く写しこんでくれるので、多少の露出異状もプリントの時にカバーできます。それに比べデジカメは対応できる光の幅が狭く、暗いところに明るいものがあると真っ白になってしまいますし、明るい光のあるところでは影の部分は真っ黒になって救済不能になることがあります。そのため進んだデジカメでは人間の顔を自動的に見つけて、そこの光の強さに露出を合わせることで、失敗のないようにする高度な技術が入っているようです。
 しかし、人間の顔をコンピューターは捜していますから、私のように人をとらないで、木の葉っぱや自動車の一部分などを撮りたいと思っている人間にそこまで親切にはできないようです。
 この時は撮りたいものにピントを合わせると同時に露出も合わせる必要があります。とりたい部分に光が当たっているようならマイナス補正、とりたい部分が陰になっているようならプラス補正をする必要があります。
 この操作によって、あまり写って欲しくない部分を白くしたり、黒くしたりして分からなくすれば主題が明確になってきます。これは以前のフィルムより効果的な操作ができることになります。
 高級なカメラは露出補正が簡単にできるようになってますが、コンパクトなカメラでも設定できるものがほとんどです。
 ほとんどの操作が自動でできるようになっている現代のカメラで最も利用できる、利用すべき機能ではないかと思っています。
 さらに、いくら撮っても費用がかからないデジカメの特技で何段も設定を変えたものを沢山撮っておいて、後から考えると言う気楽な方法もあります。と言ってもナイスショットは瞬間なので、一杯撮っておこうとしても被写体が逃げていってしまうかもしれません。

横位置<>縦位置

もうしばらく写真の話を続けます。
 テレビやパソコンの画面は普通横幅が広くなっています。特に最近のテレビは幅が広くなっています。
今、販売されているデジタルカメラも横に長い画面がほとんどです。
 写真も横長の画面が見やすいのでしょうか。
 その横長が基本のカメラを縦に構えて撮ってるのをみるとちょっとかっこよく見えたりします。
 その横長大多数の世界で縦長の写真が主流を占めている世界があります。携帯電話はなぜか縦長の写真が基本のものがほとんどのようです。携帯電話でテレビを見るときは画面が横になるように工夫されていますが、街中で携帯を構えている人のほとんどは縦のままのようです。
 でも、写真を作品としてまとめる時はどちらがいいのでしょう。写真展では額が横になったり縦になったりしながら展示していることが少なくありませんが、それぞれ自然に見えてきます。
 一般的には横長は広がり感が出て安定感のある雰囲気になり、縦長は奥行き感が出て個性的なものができるようです。
 だからと言って横長でも奥ゆき感のある絵作りは少なくありません。特にテレビの映像には広がりと奥ゆきをたっぷりと感じさせてくれるものが少なくありません。
 しかし、大きな木や、建物を見上げるような写真はどう言っても縦位置が迫力を出せるものです。
 ただ、携帯電話のように縦位置で見るのが基本の画面や横位置が基本のビデオの画面を回転すると大変見づらい物になってしまいます。その作品をアルバム写真にするとか、印刷の原稿にするとか目的を頭においておくと後が便利です。
 写真展を見ていると、作者の個性でどちらを撮りたいか決まるようです。
 日頃カメラに合わせて眺めているファインダーも角度を変えると新しい視界が広がって効果的な作品に仕上がるのではないでしょうか。

2009年1月25日日曜日

水平線

写真の撮り方などと威張れるような写真を撮っているわけではないのですが、日頃感じていることをもうひとつ整理してみます。
 まず、何となく傾いた写真はどこか落ち着かないものです。特に被写体に水平、垂直のはっきりした建物などが写っている場合は要注意です。逆に水平に写さなくても画面の構成で傾けた方が楽しい形になる場合があります。このときはファインダーのなかで造形を楽しみます。人が写っているような写真を傾けて写す場合などは中途半端な傾きは不安定感が残るだけですが、おもっいきり傾けてしまうと、画面に楽しい動きが出て若々しい感じが出てきます。
 もう一つ風景写真や記念写真では後ろに写る水平線をどの位置に持ってくるかで、かなり雰囲気が変わってきます。空を広く撮るか、地面を大きく写すかどちらが面白いか考えてみることです。何も考えなく撮っていると不思議に画面の中心に水平線が収まっています。これは日の丸写真と同じで最も安定感があるためではないかと思います。しかし、水平線が中央でないと何となく新鮮な感じや、凝った感じになります。
 だからと言って、意味のない空間が広がるだけでは面白くありません。その広がりで奥行きの広がりが出たり、夢が広がったりします。
 空の雲が面白そうとか、水面の反射に深みがあったりそれぞれに注目する視点を考えます。
 人物を撮る場合、同じ人でも上から見るのと、下から見上げるのでは雰囲気が変わってきます。可愛く撮りたいのか、偉そうに撮りたいのか、かしこまって撮りたいのか、その人の個性や目的を考えながらシャッターを押したいものです。

日の丸写真

写真の世界で日の丸写真と言われると、あまり良いイメージではないようです。人物でも、自動車のような商品でも富士山のような風景でも山を画面のど真ん中へ配置することは面白い雰囲気が作りにくいからでしょう。どうしても視点が真中へ集中したまま止まってしまって動きのないものになってしまいます。
 人を撮る場合は視線の前の空間を余分に取ると視線に沿った動きが始まります。同じように自動車は走る方向の先を大きく開けておくと走り出しそうに見え、安心感も出てきます。大きな木を撮る場合も風の流れる方向を見せることが空間でできます。そんなことを考えながらファインダーをのぞくと頭の中にいろいろな物語ができてきて、シャッターを押す前が楽しくなります。
 人の視線を感じる写真を撮ろうとすると、その視線の先に何を置くかが重要になってきます。自動車だって走ろうとする先が壁になっていたのでは空間の意味がおかしくなってきます。主題を中心から外すということは画面の動きを作ると同時にバランスが重要となってきます。
 そんなことを考え始めるとせっかく楽しくなりかけていたシャッターを押すことが難しくなってきます。
 でも、でも、撮りたいものをど真ん中にでっかく配置した写真がプロの写真家が撮ったコマーシャル写真に少なくないのも事実です。何しろど真ん中にドカーンと配置した構成の訴求力は大変強いものがあるのも事実なので、意識的に利用するのも大いにありのような気もします。
 さあ、どう撮りますか???

ファインダー

見る人をなるほどと思わせる写真は、見せたい主題を明確に示せることが重要です。そのため、主題にばっちりピントを合わせ、できるだけ画面の中心付近へ配置します(と言ってもど真ん中は日の丸写真とか言われて敬遠されますが)。
同時に画面の中に不要な物をできるだけ写りこまないように整理します。
好きな彼女の回りにゴミが一杯散らばっていたのでは、イメージがまるで違ってきます。
部屋の中などある程度背景を自由に設定できるときは、がんばって片づけることもできますが、屋外などどうにもできない背景では、被写体をできるだけ整理できる位置へ配置したり、背景の整理できる撮影位置を探します。
ある程度は自分の目で構成を確かめられますが、画面の中にいかに不要な物を整理するか確かめるためにはファインダーでじっくりと確かめることが必要です。携帯に代表される液晶画面は大まかな方向を確認すには便利ですが、画面の隅々を確認するには不安定で見ずらいものです。
その点、プロ写真家の使う一眼レフカメラのファインダーは全体の構成を確認するにも、不要なものか画面内に入り込まないか隅々を確認するのも簡単で、明るいところでも見やすく安心感があります。
高級カメラでなくても、シャッターを押す前に画面全体を確認することは満足できる結果への近道です。

2009年1月24日土曜日

作品作り

カメラを持って素晴らしい作品を作ろうと考えると、よくわからなくなります。
立派な作品とは、写したいものがしっかりと写っているものではないでしょうか。
被写体にきちんとピントが合っていて、ぶれていないことも重要です。いくらピントが合っていても被写体がぶれていては何が写っているのかわかりません。
さらに被写体がきちんとわかるように露出が正確に合っていないと、結局何が写っているのかわからないことになります。
この3つの項目が写真の基本条件になることは写真というものが始まってからづっと続いているものです。
だから、この項目が正確に合うように様々な工夫がなされてきました。
現在のカメラは露出とピントはカメラが自動的に合わせてくれるのが当たり前になっています。
さらに、シャッターを押した時、カメラが動いてもレンズやカメラの中の撮像素子が自動的に動いてブレを防止してくれる親切な機能まで付いていて、失敗ができないくらいになっています。
では、誰がシャッターを押しても理想的な写真が出来上がるかというと、不思議なほど撮影者の個性が出てくるものです。以前のように下手なピンぼけ写真は大変少なくなりましたが、写真の難しさはますますまわからなくなりました。
いったい何がいい写真なのかこれから考えてみたいと思います。

2009年1月22日木曜日

遠路ようこそ

東京からすごい人がギャラリーに見えました。
クラシックカメラの大家で、世界中の珍しいカメラをお持ちの方です。
私も古いカメラに興味はありますが、どちらかというとガラクタの類ですが、この人のものは50年前でも100年前のカメラでも立派に動き、フィルムも入れて写りも確認されています。
私の場合は、写ることよりもメカの面白さで終わってしまうため、世の中ではジャンクといわれるものを拾ってきて、動かないことをいいことに、すぐドライバーを持ち出し、ばらばらにしてその当時の材料やメカニズムの工夫を眺め、作った人の心意気や時代背景を勝手に想像して楽しんでいます。(この後、カメラが満足な形で復元することはまずありません!)
 このように書くといかにも時代考証をしているように感じられるかもしれませんが、まるで勝手な想像で、そのカメラの製造年月すら確認しているわけではありません。プラスねじが使われていないから年代は多分50年以上前なのだろうなんてものです。
せっかく大家にお越しいただいたのに、カメラの展示は殆んどなく、ちょっと期待を裏切ってしまったような気もしますので、これからは少しガラクタも並べてみたいと思いはじめました。
時々クラシックカメラで撮った写真を拝見させていただく機会がありますが、カラーフィルムなんて全くない時代のカメラできれいなカラー写真がとれ、意外なほどシャープな線が出ているものが少なくありません。カメラが家一軒よりも高価で、限られた人の持ち物の時代の製品はそれなりに作られていたのだといつも感心させられます。
話が大変回りくどくなりましたが、ご来場ありがとうございました。機会をみて蔵シックカメラの写真展もさせていただければ楽しみだと心待ちにしております。

デジカメの普及で写真を撮る機会が増え、いくらシャッターを押しても費用がかからないため、じゃんじゃん撮りまくることが多くなりました。
シャッターを押したことで写真を撮り終えたと安心し、後でそれを見直さないことも少なくありません。
プリントも気楽にお家プリントや会社プリントができ、どっさり印刷して一度見たらおしまいになってしまうことも多くなってきました。
写真が貴重なときには一枚を撮るにも時間をかけ、出来上がった写真はアルバムや写真フレームに入れて大切に見ていたのではないでしょうか。
じゃんじゃん撮った写真から、お気に入りの一枚を見つけて、ちょっと高級なペーパーで丁寧にプリントして、額縁に入れてあげると見違えるようなムードが出るものです。
額も手軽なものから、美術館に並べるようなものまでいろいろありますが、少し気取った額を並べてみると、自分の写真もまんざらではないように見えてくるものです。
たまには、時間と手間をかけた写真を仕上げることも大切ではないかと感じています。

2009年1月21日水曜日

車が売れない

今、乗っている車はマツダRX-8とスバルR2です。
もともとが普通でないものに興味があり、唯一無二のエンジンを積んだRX-8を選びました。
ロータリーエンジンは夢のエンジンとして登場しながら、今世界中で販売されている車の中でマツダのこの車だけとなりました。
レシプロエンジンと違って、コンパクトで出力が大きく、震動が少ないなど大きなメリットがありながら燃費が良くないという問題で幅広く利用されることがないようです。基本的に大きな可能性がありそうでも解決できない課題が多くどうしても主流にはなれないようです。
主流になれないから、研究する要員も開発費も少なくますます時代に乗れないのが現実のようです。
乗ってみると、ビューンと高回転までストレスなく回る醍醐味は走らせていてうれしくなりますが、低回転時はなぜか、不安定な震動が出ますし、街中をとろとろと走ると点火プラグがかぶってしまって始動困難になったり、回転が上がらなくなったりすることを、大変稀ですが経験しました。当然ですが燃費も低下します。
癖の多いエンジンですが回っていること自体が不思議なことですし、RX-8の車体の作りもあり、思う方向にすいすい曲がる運動性能は他の車では経験できない楽しさを持っています。こんな車を作った人に敬意を表しながら手放すことができません。
もう一つのR2も軽自動車の中では珍しい4気筒のエンジンと、全輪独立懸架の足まわりで軽自動車らしくない雰囲気を出してくれます。特にパワーがあるわけでも、飛びぬけて静かなエンジンではありませんが、その走りの味には十分満足しています。この車は4気筒のエンジンを積んでいるくせに燃費は十分満足できるものです。
RX-8と走りを比べるのは意味のないことで、それぞれに満足しています。
楽しい車はなかなか他の車に乗り換えてみようとは思わせないもので、いい車を作ったばかりに新しい車が売れないとは、難しい課題ですね。

2009年1月20日火曜日

古いカメラですが

それなりに年を喰ってきたせいか、昔欲しいものをなかなか買えなかったせいか、このところちょっと古いカメラがあると欲しくなって我慢が出来なくなっています。
当初は40年くらい前の私が若かりし頃、いろいろとカタログを眺めていたものに懐かしさを覚えていましたが、さらに古い年代とか、海外の製品まで気になってくるようになりました。
たまの海外旅行に出かけてもカメラの並んでいるショーウィンドウを見ると足が止まってしまいます。
買ったところで、なかなかまともな写真が撮れるものではないと分かっていながら諦めきれません。ただ、誰しも考える歴史のある高級(高額)カメラよりもいったいどうしてこんなものがあったのだろうと思えるマイナーに機械(奇怪)に親しみを覚えてしまうのは、私のへそ曲がりな性格からかもしれません。
そんな中から、いくつかをギャラリーへ置くことにしました。今はアメリカ製のマーキュリーとかを並べています。
ギャラリーへお越しの時には、話のタネの一つとしてご覧ください。

2009年1月19日月曜日

スピーカー

ギャラリーカフェR2Vにはオーディオにもちょっぴりこだわりがあります。
と言っても高額なものではなく、風変わりなものと思っていただいた方が当たっています。
1階の隅っこで鳴っているのはK社が遊び心満点で作った、無指向性のスピーカーです。
小さなユニットとアンプが小型の丸いキャビネットに入っていますが、大きさからのイメージに比べゆったりとした音がします。無指向性だからと思ってどう置くか迷いますが、ギャラリーの中では置き場所がとても適当とは思えない使い方をしています。皆様のアドバイスをいただければもっと楽しさが増すかもしれません。
2階ではBOSEのラジカセが鳴っています。このラジカセもかなりな年代物ですが、不思議なほど低音が響いています。お好きな曲で試してみてください。
これからも、何か目先の変わった組み合わせを楽しんでみたいと考えています。

2009年1月18日日曜日

今週のテーマは人物かな

写真をお仕事にされているIさんの展示は本格的ですね。
なにしろ人の表情が決まっています。ただ、なんとなくカメラを向けただけでは絶対に取れない表情が出ています。カメラのテクニックは当然としていかに雰囲気を作り上げて、一枚の絵に構成するかさすがですねと関心しながら拝見しました。
プリントの仕上がりも微妙な雰囲気を大切に出していて、気楽にどんどんシャッターを押して、機械まかせのプリントで一見きれいにできたと喜んでいる世界とは一線を画す違いが一目でわかります。
控え目な雰囲気の中に鋭い視線を感じる作者の力を感じました。
ぜひご覧ください。

楽しい展示ありがとうございました

先週のOkさんの写真展明るく、楽しく、盛り沢山の内容で好評でした。
家族を撮った写真展ではなく、家族で撮った写真展でした。さらにお友達もいろいろ参加してミニコンサートまで用意して、本当にマルチタレントな人たちの集まりに盛り上がっていました。
女性が主役のギャラリーでは華やかさがこんなに違うんですね。
写真も自分の撮りたいものを明確に出しているから、切れ味のいいムードになっていました。
さらに、こんなディスプレイがあったのだと感心する展示方法は、普通の写真展とは一味違う楽しさで、個展とは思いっきり楽しむものだと拝見しました。ギャラリーのスタッフもこれからの運営に大いに参考にさせていただきたくなりました。
まだまだ興味のつかないお話を聞かせていただきましたので、次回の展示には何が出てくるか楽しみにしています。