2009年7月13日月曜日

アンプ回路の謎解き


 真空管の顔をしたトランジスタアンプは真空管回路を素通りさせたため、真空管を差し込まないでも立派に?音が出るようにはなりました。
 クロスオーバー歪の音は、どんどん気になってきました。ここまで来て捨ててしまうのは気が引けるし、直すにはかなりの気合と根性が必要で躊躇していましたが、とりあえず分かる所まで回路を調べてみることにしました。
  最初に不思議な回路だと思ったところが、出力トランジスタがPNPトランジスタとNPNトランジスタを組み合わせたコンプリメンタリ回路でなく、NPNト ランジスタだけでプッシュプル回路構成をした何十年も昔使われたようなシステムです。現代の回路ならば資料も多く、推定が楽ですが、これではどうも自信が 持てなくなります。
 古い資料を探してやっと見つけた類似の回路図は40年以上も昔買った本でした。やっとトランジスタのアンプができるようにな り、まだ真空管も現役でバリバリ活躍していた時期でした。トランジスタはシリコントランジスタができ始めたもののNPNしかできず、PNPはゲルマニウム トランジスタしか使えない時代で苦心して考え出された回路でした。
 何でそんな骨董的な回路を使っているのでしょう。結構回路は複雑そうでコスト を抑えるのであれば他にいろいろと方法がありそうです。第一今時、ICを使わないでディスクリート回路で組むこと自体、よほどこだわったもの以外に考えら れないことです。このアンプのプリ部分にはふんだんにICを使っているのですから。
 古い資料を探しているとオーディオが大いに盛り上がっていた時代の書籍がなかなか面白く、こんなことにもこだわっていたのだと、わき道にそれて懐かし見入ってしまいました。資料探しで面白がってわき道にそれていたらすぐ一日が過ぎていました。
 一応資料がそろったので現物の部品を見ながら回路図を書き始めました。米粒より小さいようなチップ部品は使われていないのですが60を過ぎた目にはどの部品も、プリントパターンもなかなか見るのが大変でこれではいつまでかかるかわかりません。
 一昔前くらいまでは例え海外ブランドの製品でも日本のメーカー名が表示された部品がたくさん使われていましたが、今はほとんど日本の名前を見つけることができません。日本のもの作りはどこへ行ってしまったのでしょう。

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