2009年6月23日火曜日

立派な外観の真空管アンプ

 私の友人に真空管アンプのとりこになって、キットを製作したり、いろいろな真空管を差し替えたりどんどん楽しみが拡大している人がいます。私もずーーと 以前に真空管を使ったアンプや無線機を作ったり、壊したりしていた時期があり、興味がないわけではなく、ついつい話が盛り上がっていました。
 最近何気なくインターネットオークションを眺めていると大変安価な真空管アンプが目に付きました。立派な形をしている割に安価になのですが、あまり買う人が現れません。無理なく買えそうな値段なので、なんとなく入札しておいたら、あっけなく落札になっていました。
 商品が届いて実物を見ると大変立派な顔をしています。真空管も確かに付いています。出力管らしきものも複合管になっていてプッシュプルになっているような雰囲気です。早速電気を入れてみると、真空管のヒーターが灯りそれらしい雰囲気を出しています。
 最初はちょっと雑な音でしたが、エージングというほどでなく2時間もすると落ち着いた音になり、かなり迫力のある音が出るようになりました。
  しかし、しばらくいろいろな音楽を聴いていると何か気になる音が感じられるようになりました。トーンコントロールの付いた珍しいアンプなのですが、トー ンコントロールを触るとノイズが出ます。音にもこのトーンコントロールの癖が乗っているような感じです。つまみに触るとハムのようなノイズが出ます。
  どうしても気になり早速ドライバーを持ち出し中身を見ることにしました。空けてわかったことがこのアンプは純粋の真空管アンプではなくトランジスターの 出力段を持つアンプらしいことだとわかりました。出力トランスも付いていません。かっこよく光っている真空管はただの飾りかとも思ったのですが、回路を眺 めているといろいろ配線されていて、どうもトランジスタのドライブ回路にでも使われているようです。
 だから、皆さん買わないのかと思い直しました。
 ノイズの原因はトーンコントロールボリュームのアースの不備のような気がしてきました。配線を直したりいろいろ試験しているうちに分かったのが、ボリュームの取り付けねじの締め付けが足りなかったことでノイズを拾いやすくなっていたようです。
  ここまで2~3時間遊びましたが、よくぞこんなアンプを商品として作ったものだと感心してしまいました。経済的にも出力トランスが無い分安価にできるか も知れませんが、とても私の払った金額で作ることは難しいと思いますし、こんな回路を考えるにもかなり経験と試験が必要で今の日本で作るのは難しいだろう と思いました。
 自動車でも見よう見まねでハイブリッドや電気自動車を作ってしまう国の現状が見えてきました。さまざまな挑戦をしていると次々と 技術の本質が見えてきて 新しいことが実現できそうです。いろいろと細かいことには問題が残っていても挑戦する意欲がすごいと、今の日本が心配になるほど考えさせられた製品でし た。
 アンプの音は払った金額からだけでなく、なかなか立派な音でピアノが一回り大きくなったような雰囲気で鳴っています。

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