2011年4月15日金曜日

偶然とは言え! ・? 震災に合わせたような写真展

 出張の合間に見た写真展でびっくりした展示が2件もありました。
竹内敏恭写真展「石巻」コニカミノルタプラザギャラリー

 中筋 純 写真展「黙示録チェルノブイリ-再生の春-」新宿ニコンサロンです。

 「石巻」は作者の竹内さんが以前から石巻の町を丹念に撮り貯めていた思い出の一杯詰まった写真集です。
 思い出の多い建物や風景をモノクロで撮影した、見るものに大変懐かしい郷愁を覚えさせるものです。
 特に石巻を知らないものでも、何故か大変な懐かしさを感じさせる雰囲気が醸し出され、しばらく見入ってしまいました。
 この町が津波で一瞬にして消えてしまった事で、この写真の一枚、一枚の重さがさらに高まり、見るものに様々な感慨を抱かせます。
 この写真展は地震が発生するよりもずっと以前から準備されておられたそうで、まさかこのような事など予想もしていなかったという事です。

 もう一つ、「黙示録チェルノブイリ」は25年前の事故から、やっと落ち着き始め一部の報道関係者などが現場に入れるようになっているのだそうです。
 各地の廃墟を撮影してきた作者が、そのシリーズの中の一つとして撮影されたものですが、震災で大事故になってしまった福島原発に重なるものがあり、見るものに、他人事とは思えないその悲惨さを倍増させ現実と重ね合わせることになります。
 こちらも、震災など全く意識しない頃に準備された展示会で、そのタイミングの偶然に驚き、何かの因果を感じさせられました。

 写真の持つ芸術性が、その場所の記録だけでなく、より印象的な説得力を感じさせ、様々な課題を訴えているような気がしました。

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